長い歴史の中で脈々と受け継がれてきた個性溢れる伝統的工芸品が日本の全国各地にあります。織物や染物、陶磁器、漆器、金属工芸品、木工品、文具、和紙など多種多様な工芸品は、日本国内でも愛されていますが、海外からの旅行客にも非常に人気があります。伝統的工芸品にとどまらず、日本の高いものづくりの技術は世界的にも高く評価されています。
日本には、政府が一定の基準を満たした工芸品を「伝統的工芸品」に指定する制度があります。その基準とは、日常生活に用いられていること、手工業的に作られていること、主に伝統的に使われてきた原材料を用いていることなどです。その数は200品目を超え、北海道から沖縄県まで全47都道府県すべてに指定を受けた工芸品があります。
関西は、古来より大阪や奈良、京都に日本の国の「都」が置かれてきました。これまで政治・経済・文化の中心地として発展を続けてきた歴史があります。こうした背景を持つ地域だけに、関西各地には世界的にも名高い工芸品があり、国の「伝統的工芸品」にも多数が指定されています。工芸品を生み出す技術はその後、工業製品の製造にも生かされ、関西各地にはものづくりを手掛ける多くの企業があり、家電製品や精度の高い機械部品、繊維製品、木材加工品など多種多様な製品を作っています。
このコーナーでは、伝統的工芸品を製造する企業や優れたものづくりの技術を誇る企業を紹介しています。この機会に是非、関西が誇る伝統工芸品の興味深い世界をご覧になってください。
〒779-3401 徳島県吉野川市山川町川東141
伝統工芸品・ものづくり
一般財団法人阿波和紙伝統産業会館では、伝統を守りながら新鮮な感性をとどける和紙づくりをめざしています。
「アワガミ」は、徳島県吉野川市で1300年の歴史を持つ「阿波和紙」のブランド総称です。阿波和紙の起源は「麻植(おえ・吉野川市の旧地名)」の地に忌部(いんべ)族が麻と楮(こうぞ)を殖産し、織布と紙漉きの技術を伝えたことが始まりとされており、それらは自然の恵みから繊維をいただき、祭祀に使用する道具として使われていた伝承が残っています。
現代において、私たちは和紙の伝統文化を守り継承する思いの中、新しい素材の作り手として、むしろ和紙を「伝統」という世界から解き放して、さまざまな技法・素材の開発に向けて研究活動を行なっています。ユーザーの声に耳を傾け、現代の生活空間へ、そして次代へと生かしきる和紙文化の新しい発信拠点を目指しています。
〒590-0941 大阪府堺市堺区材木町西1-1-30
伝統工芸品・ものづくり
堺伝匠館は、堺の伝統産業の展示・販売・体験施設です。
1階販売フロアでは多種多様な包丁や注染手ぬぐい、線香、昆布製品、和菓子などを販売しています。2階展示フロアの「堺刃物ミュージアムCUT」では、堺の刃物の歴史・製法が学ぶことができ、様々な用途の包丁、約300本の包丁の素材を使ったシャンデリア「HIBANA」等を展示しています。また、刃物以外の伝統産業の歴史や製法が学べる展示室「TAKUMI EXHIBITION」があるほか、定期的に実演や体験イベントも開催しています。
英語対応、フランス語対応可能なスタッフが常駐しているわけではありませんので、必要な場合は必ず予約をお願いいたします。
オンラインで海外から伝統産品の購入も可能です。 https://shop.buyee.jp/47storey/shopping/store/top/a0000449?&brandCode=partner.47storey.osaka
〒600-8098 京都市下京区間之町通松原上る稲荷町540
伝統工芸品・ものづくり
堤淺吉漆店は、明治42年創業の漆原材料メーカーです。
漆は1本の木からわずか200cc程しか採取出来ない貴重な自然の恵みです。樹液を採りきった木は伐採され、切り株から芽吹く新たな命を10~15年かけて育て、再び樹液を頂きます。漆は縄文時代からこのサイクルが受け継がれている循環可能な天然資源で、器や茶道具、家具といった生活必需品のほか、寺社仏閣などにも使われています。
当社は漆原材料メーカーとして、樹液を仕入れ、不純物を除去し、目的用途に合った様々な漆を精製しており、日光東照宮など全国の国宝・重要文化財の修復にも当社の漆が使われています。
大量生産や使い捨てによって漆の需要が激減している現代に危機感を感じ、漆の素材としての魅力を伝える活動にも取り組んでいます。URUSHI×SURF・URUSHI×BMXなど、漆の新たな可能性や価値観を発信するプロジェクトをはじめ環境問題にもアプローチしています。
2024年4月には、これらの活動の拠点として「Und.」をオープン。漆屋としての仕事を軸にしながら、異業種や異素材、あるいは地域・行政・大学・研究機関などと共に、漆を通して新たなイノベーションを起こし、漆を次世代に繋ぐ役割を担っていきます。
〒669-5301 兵庫県豊岡市日高町江原92
伝統工芸品・ものづくり
中田工芸株式会社は、1946年の創業以来日本のアパレル企業からの高い要求に応え続けてきた、国内唯一の木製ハンガー専業メーカーです。
NAKATA HANGERは、当社がユーザー視点でハンガーを見つめ直し、長年培ってきた技術・知識・経験を最大限に活かして作り上げた、こだわりのMadeinJapan木製ハンガーブランドで、職人の手によって一本一本丁寧に生み出されるハンガーは、「無駄のないデザイン」と「洋服のシルエットを美しく保つ機能性」を兼ね備えています。
現在、NAKATA HANGERは世界50ヶ国以上で納品実績を誇ります。国内外でECを活用し、豊岡という地方から世界中に上質な木製ハンガーを届けるため、「グローバルニッチマーケティング」や「意味的価値の創造」に取り組んでいます。また鉄道、自動車、スポーツなどの異業種にも幅広く展開する独自性が特徴です。
従来のアパレル企業との取引に留まらず、海外展開やギフト等、新しい可能性を広げていますが、ハンガー作りへの誠実な思いは昔も今も変わりません。私たちは、お客様が求める価値を真摯に追求し、ハンガーで「服をかける喜び」をお届けするお手伝いができればと考えています。
〒602-8471 京都市上京区浄福寺通五辻東入一色町35-7
伝統工芸品・ものづくり
有限会社フクオカ機業は1902年に創業、120年以上になる老舗企業で、主事業としては平安時代に貴族の方がお召しになっていた有職織物を帯にして製造・販売している会社です。また十二単の制作も行っています。
平成に入ってからは絹織物だけでなく、炭素繊維・ガラス繊維の織物開発に着手し、現在ではスポーツ・自動車業界などに採用されています。この数年は、京都府下で回収されたペットボトルを繊維メーカーにて繊維化、当社にて織物にし、アパレル、建築業界など様々な業界で採用されています。
見学者人数は最大7~8名でお願いします。
〒639-2122 奈良県葛城市薑74-2
伝統工芸品・ものづくり
株式会社高木包装は2025年で創業70年を迎える段ボールケースメーカーです。
大型家電やバイクなどの大型商品の包装資材として、段ボールケースのニーズは高まっています。高木包装では、世の中に流通する段ボールケースを全て社内で製造できる設備を備えています。業界の先陣を切って最大寸法1650mm×3500mmまで製造できる機械を導入し、あらゆるサイズや形状に対応できる生産技術力を誇っております。
高速・多色刷りのミニサイズ用生産ラインも装備しており、生産スピードは1分間に最大350枚と、驚異的な生産量を誇ります。さらに高性能な検査装置で不良品の混入を防止し、印刷不良によるロスも削減。積み重ねた実績と磨き上げた技術力で、質の高い製品を安定的に提供しています。
また創業以来Face to Faceで受注から納品まで自社で遂行することを基本方針とし、社員が直接お伺いして受注し、全工程を自社内で完結させ、自社のトラック便で納品します。
グループ会社のパックインタカギでは、段ボールトイレ・ベッド、ノベルティなどを企画販売しています。軽量で適度な強度を持つ段ボールだからこそ可能なアイデア+デザインでオリジナル製品を開発しています。
〒649-0121 和歌山県海南市下津町丸田68-1
伝統工芸品・ものづくり
ニッティド株式会社は1981年2月に設立した5本指ソックスの専門メーカーです。
和歌山県海南市に本社を置き、5本指ソックスと無縫製ニットの企画・開発・生産・販売を主な事業としています。
5本指ソックス業界のパイオニアメーカーとして、創業以来日本全国に5本指ソックスを普及してまいりました。現在では海外へ事業を展開しており、ドイツのベルリンに欧州販売会社KNITIDO Europe GmbHを、中国浙江省には生産拠点として海寧星圓針織有限公司を設立しています。