ライフサイエンスやヘルスケアは、現在世界で最も注目されているテーマのひとつだと言えるでしょう。新型コロナウイルスのパンデミックは世界の経済・社会に大きな打撃を与えましたが、厳しい状況を打開する道を開いたのは、メッセンジャーRNAに着目した新たなワクチンが開発されたことでした。また、日本の研究者が開発したiPS細胞により、これまで困難だった疾病を再生医療技術を活用して克服しようとする取り組みが進んでいます。ライフサイエンスの重要性は今後もますます高まりそうです。
少子高齢化・人口減少が進む日本では、iPS細胞を活用した研究のほか、さまざまなテーマで生命科学の研究が行われています。関西には、iPS細胞の研究で世界をリードする京都大学などライフサイエンス、ヘルスケアに関連する大学や研究開発拠点が数多く立地し、産学官の連携も盛んです。
2025年の大阪・関西万博では、大阪の自治体や産業界、大学・医療機関が共同で「大阪ヘルスケアパビリオン」を出展するなど、この分野は関西地域を挙げて推進する重要テーマに位置付けられています。会場外ではビジネスイベント、国際的な医療機器見本市の開催等、ヘルスケアに関連する多くの事業も進められています。
このコーナーでは、ライフサイエンス・ヘルスケア分野で事業展開している企業を紹介しています。これらの企業を訪問し、関係者と話をしてみてください。思いがけないビジネスチャンスが見つかるかもしれません。
〒642-0014 和歌山県海南市小野田258番地
ライフサイエンス・ヘルスケア
アイセンは、1946年に創業し、「愛染」の商標でたわし・ほうきの製造を始め、現在では、「キレイを、楽しく」をテーマに日常生活で感じる不便や不満を解消する様々な商品を手掛ける、家庭日用品メーカーです。
私たちが提供しているのはキレイにするための「モノ」だけではなく、キレイにする「コト」。掃除や洗濯、料理の楽しさやキレイになることで感じる気持ち良さ、その時間を創り出すことで、皆様とその先の大切な人の笑顔を作るお手伝いをしたいと考えております。長年培ってきた、モノづくりの伝統を引き継ぎ、お客様のニーズや環境、社会の変化に素早く対応しながら、より清潔で快適な生活文化の向上を目指していきます。
〒650-0047 兵庫県神戸市中央区港島南町1-3-1
ライフサイエンス・ヘルスケア
エア・ウォーターグループはくらしに関わる様々な事業を展開しています。
産業ガスの供給を原点に事業を広げ、ものづくりの現場で活躍する産業ガスやケミカル、人々の生命を支える医療、くらしにかかわるエネルギーや農業・食品、さらには物流、海水、エアゾールなど、多彩な製品やサービスをお届けしています。中でも基盤となっている医療分野の取り組みを「国際くらしの医療館・神戸」でご紹介しています。当施設はエア・ウォーターの医療事業発信の場としてだけでなく、医療分野の様々な学びの場としてもご活用頂いています。
エア・ウォーターの事業の原点は、社名に冠した空気(エアー)と水(ウォーター)です。かけがえのない地球の資源を活かして事業を創造し、社会や人々の暮らしに貢献していくことを目指しています。
〒627-0004 京都府京丹後市峰山町荒山225
ライフサイエンス・ヘルスケア
株式会社日進FULFILは、自動車のエンジン部品や工作機の開発・製造で培った技術を生かし、医療機器の研究開発に取り組んでいます。
当社は2015年に株式会社日進製作所の新規事業としてスタートし、2022年に分社化する形で設立されたスタートアップ企業です。日進製作所の強みである精密部品加工の技術を医療機器に展開し、患者自身の骨から骨ネジを形成する「骨用複合加工機」の開発等を行っています。手術室で骨を取り出し、その場でネジの形に加工し骨折治療に用いることにより、患者の手術回数も減り早期回復が見込まれるといった画期的な試みです。この技術では骨折治療や軟骨修復において、より効果的な治療が期待されており、現在は開発途中でありますが、1日も早い上市を目指しています。
日本そして世界へ、世界中の患者の課題解決に、わたしたちが開発する医療機器で貢献していきます。
大阪事業所(医療用機器事業)は条件付で見学可能です。
開発中の製品は見学不可。
事業の説明等を含めた事業所の案内は可能です。
〒657-0831 兵庫県神戸市灘区水道筋6-1-3
ライフサイエンス・ヘルスケア
株式会社PITTANは、革新的な生体分子分析技術・マイクロ流体デバイス技術を用いた、パーソナライズドヘルスケアのための簡便で気軽な汗中栄養素分析サービスを提供するスタートアップ企業です。
"Technical Pop"をコンセプトに、信頼性の高いサイエンスベースのテクノロジーを、人々が日常的に使える体液分析サービスとして実現しました。具体的には、極微量の汗を非侵襲で簡便に採取し、マイクロ流体デバイス技術を活用したポータブル分析装置により、その場15分で分析結果の提供が可能になります。その結果、全人類の汗データを解析し、人類のヘルスケア課題解決に貢献することをめざしています。
〒587-0042 大阪府堺市美原区木材通4-12-15
ライフサイエンス・ヘルスケア
モアコスメティックス株式会社は、ヘアケア・スキンケア化粧品メーカーです。
科学的な根拠に基づき、肌への負担を最優先に考えた製品開発を行い、製品は、肌トラブルやダメージヘアに悩む方でも安心して使えるよう、美容サロンや医療機関を通して販売。アメリカ油化学会での論文掲載や、日本香粧品学会の「エディター賞」受賞など、研究開発力の高さが評価されています。また、2025年大阪・関西万博では会場内の手洗い洗浄液として独自に開発した「ラウレス-3酢酸アミノ酸(特許第5057337号)」を使用した製品を提供し、大阪ヘルスケアパビリオンに出展します。
〒520-3001 滋賀県栗東市東坂525
ライフサイエンス・ヘルスケア
1939年創業の山科精器株式会社は、FA・熱交換器・医療を重点分野とし、産業機器や工作機械で広く知られている会社です。
特に医療分野では、外科用吸引凝固嘴管「サクションボール・コアギュレーター」や内視鏡洗浄吸引カテーテル「エンドシャワー」など、革新的な製品を生み出し、累計万15万本以上の販売実績を持ちます。産学連携や海外市場展開にも積極的に取り組み、アジアを皮切りに海外へ進出しています。「人を中心に据える」社風のもと、社員の成長を支える評価・教育制度を導入し、次世代のモノづくり企業として進化を続けています。
〒770-8503 徳島県徳島市蔵本町3丁目18番地の15 藤井節郎記念医科学センター
ライフサイエンス・ヘルスケア
株式会社セツロテックは、徳島大学で培ったゲノム編集技術とノウハウを基に2017年2月22日に創業した、徳島大学発ベンチャーです。
徳島大学先端酵素学研究所の竹本龍也と橋本昌和(大阪大学)は、2015年に「ゲノム編集マウスを簡便にかつ高効率に作製できる手法」を開発し、その技術を特許出願しました。また、創業者の一人である徳島大学先端酵素学研究所の沢津橋俊は、培養細胞で高効率ゲノム編集を実現するVIKING法を確立し、その技術を特許出願しました。これらの技術を用いて、セツロテックは、遺伝子改変マウス・培養細胞の受託作製・販売を行なっています。
当社では、ゲノム編集技術を「生き物の多様な能力を引き出す」技術であると捉えています。将来的には研究分野にとどまらず、ゲノム編集生物を広く産業界に提供する基盤的な企業へと成長し、ゲノム編集産業を開拓することを目指しています。ゲノム編集技術を用いて、人々の暮らしをより豊かにし、持続可能な社会の実現へ貢献できるよう取り組んでまいります。
本社(藤井節郎記念医科学センター)の見学をご希望の場合は徳島大学への事前申請が必要になります。
〒680-0941 鳥取県鳥取市湖山町北1丁目419 セレナールIZUMI 1F
ライフサイエンス・ヘルスケア
株式会社マリンナノファイバーは、カニ殻由来の新素材「キチンナノファイバー」の研究開発、製造、販売を行う企業です。
2016年に設立され、鳥取県鳥取市に本社を置いています。キチンナノファイバーは、カニ殻の主成分であるキチンを超極細繊維として抽出したものです。従来のキチン粉末に比べて表面積が大きく水に良く馴染み、肌に優しい特性を備えることから保湿性、抗炎症作用、創傷治癒効果を持ち、スキンケア製品やペット用ケア商品に利用されています。口にしても問題ない原料を使用しているため、安全性が高く、人や動物に対しても安心して使用できます。
また、キチンナノファイバーは医薬品をはじめ、工業分野や農業分野など様々な製品に応用可能であり、国内外の企業と連携し、研究を進めています。マリンナノファイバーは持続可能な素材の開発に注力しており、環境への配慮を大切にしています。
〒567-0085 大阪府茨木市彩都あさぎ7丁目7-15 彩都バイオインキュベータ3階
ライフサイエンス・ヘルスケア
株式会社ステムリムは「再生誘導医薬®」の開発をめざすバイオ企業です。再生誘導医薬®は、組織再生能力の基盤となる幹細胞の供給量を増やすことで、組織再生を促進する、従来の細胞治療・再生医療の欠点を克服したまったく新しいメカニズムの技術です。再生誘導医薬®の投与によって、骨髄のなかに存在する間葉系幹細胞を未消循環血流中に放出させることで、体内を巡る幹細胞の量を増加させ、それらが損傷組織に集積し損傷組織の再構築が加速されます。栄養障害型表皮水疱症、脳梗塞など、多岐にわたる疾患において臨床試験を実施しており、注目を集めています。
〒541-0042大阪府大阪市中央区今橋2-2-17 今川ビル3F
ライフサイエンス・ヘルスケア
あっと株式会社は、毛細血管スコープ(NFC)の開発・製造を主な事業とする大阪大学発のヘルステックスタートアップ企業です。独自の毛細血管画像解析技術により、手軽に健康状態をチェックできるシステムを提供します。理化学研究所との共同研究成果で血液検査との相関を特許化しました。東北大学との共同研究成果でNFCと糖尿病網膜症との相関があるとの論文を発表しました。健康食品の臨床試験サービスをリリースしました。販路は大学・製薬企業・薬局・フィットネス・エステなどで、世界各国現地での代理店を募集しています。
〒593-8323 大阪府堺市西区鶴田町27-27
ライフサイエンス・ヘルスケア
株式会社中村超硬は1954年創業の工作機械・産業機械の特殊精密部品製造メーカーです。超硬合金、焼結ダイヤモンドなど硬く加工が難しい特殊材料を、高精度に加工する技術を強みとしています。また、半導体などの基板となるウエハを切り出す工具であるダイヤモンドワイヤや、化学繊維用の紡糸ノズルなどの開発・製造・販売にも取り組んでいます。
これらの事業に加え、「ナノサイズゼオライト」の研究開発・事業化にも注力しています。ナノサイズゼオライトは、一瞬で水分やガスを吸い取ったり、イオン交換したりする世界オンリーワンのスーパーパウダーです。さまざまな用途への展開が期待されており、中村超硬「初」の材料での事業化を目指しています。
今後も「伝統のものづくり」と「最先端の技術開発」の両輪で、社会と地球環境へ貢献いたします。