飯泉嘉門委員「ドクターヘリ新時代の幕開け」(令和4年8月8日)

関西広域連合 飯泉嘉門委員(徳島県知事)からのメッセージ

ドクターヘリ新時代の幕開け

 

 

  こんにちは。徳島県知事の飯泉嘉門です。

 

  皆さんご存じ、医師・看護師がヘリコプターで医療現場へ駆けつける「ドクターヘリ」。本年3月には、関西広域連合におけるドクターヘリ運航10周年を記念して、シンポジウムを開催しました。そこで今回は、ドクターヘリに関するこれまでの歩みと、今後の展望をご紹介したいと思います。

 

  平成22年12月の広域連合設立時に管内で運航していたのは「和歌山県ヘリ」、「大阪府ヘリ」、「3府県ヘリ」の3機だけでしたが、「ドクターヘリを活用した広域的な救急医療体制を充実する」ため、広域連合が主体となって導入を推進した結果、「徳島県ヘリ」、「兵庫県ヘリ」、「京滋ヘリ」、「鳥取県ヘリ」の運航が開始され、現在では計7機による一体的な運航体制を構築しています。

 

  広域連合では、都道府県単位の「3次医療圏」を越える新しい概念として、関西全体を「安全・安心の4次医療圏・関西」と位置づけており、このドクターヘリの一体的な運航により、関西全体で救命効果が高いとされる「30分以内の救急医療提供体制」を実現し、関西2千万の府県市民の皆様に安全・安心をお届けしています。

 

  また、広域連合管内のみならず、近隣地域との連携も強化してきました。
  ドクターヘリが他の案件で既に出動中であれば、要請できないのが通常ですが、近隣地域と「相互応援協定」を締結し、広域連合のドクターヘリが出動中でも近隣のドクターヘリに要請・出動する形で、複数機のドクターヘリによる「二重・三重のセーフティネット」を構築しています。

 

  本年5月には、「京滋ヘリ」と「福井県ヘリ」で、新たに相互応援協定を締結したところであり、今後も、近隣地域との更なる連携強化を進めて参ります。

 

関西広域連合での広域的なドクターヘリの配置・運航状況はこちらから
https://www.kouiki-kansai.jp/koikirengo/jisijimu/iryo/170.html

 

  これらの取組みにより、関西広域連合における運航体制の拡充・強化など、全国的にもドクターヘリの導入が進み、本年4月、香川県での運航開始をもって、全都道府県におけるドクターヘリによる救急医療体制が整い、今後、ドクターヘリは「質」の向上に向けた新たなフェーズを迎えます。

 

  「質」の向上に向けた取組みとして、例えば、1.ランデブーポイント(離着陸場所)の増加、2.フライトドクター・ナースの充実、3.近隣地域との連携強化などは不断の取組みとして重要であることはもとより、新たに検討すべきテーマとして「夜間運航」があります。

 

  ドクターヘリの運航時間は基本的に日没までとされており、夜間は運航していませんが、当然ながら救急案件は24時間いつ起こるか分かりません。特に、離島・山間部において、夜間救急医療体制の確保は切実な問題であり、国においても、「夜間運航の課題や効果の分析を行う」との方向性が示されております。

 

  こうした動きと軌を一にし、本年6月には、超党派の国会議員で構成される「ドクターヘリ推進議員連盟」の総会に出席し、私自ら、夜間運航の実現に向け、「実際の現場をフィールドに調査研究に着手するべき」と提言したところです。

 

  これからも、関西広域連合がまさに羅針盤となり、「ドクターヘリ新時代」における新たな取組みに果敢に挑戦してまいります。

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