1 山陰海岸・若狭湾とその沿岸
山陰海岸の地形・地質がもたらす 豊かな自然と人々の暮らし
©豊岡河川国道事務所
地域の特徴
但馬御火浦(たじまみほのうら)は、様々な性質の岩石や地層が混在するため、日本海の荒々しい波に洗われて複雑な地形が形成されました。これに伴い、植物や動物全般においても貴重な生物が数多く生育・生息しています。諸寄(もろよせ)港においては、北前船の風待ち港として活用されたことから商業や文化、人々の交流も促しました。
もうひとつは、「氾濫原(はんらんげん)」です。豊岡盆地は、かつてリアス式海岸の入り江のひとつでしたが、盆地に発達し、その中央部を円山川が流れています。氾濫原の名残を今に残す周辺の水田が、自然再生によってコウノトリの生息地としてよみがえりました。また、氾濫原の環境を活かして栽培されたコリヤナギを編んだかごが豊岡のかばん産業の発祥となりました。
この2つの特徴的な自然と、人間活動の関わりから生まれた暮らしと文化を見ることができます。
訪問先の位置とモデルプラン

みどころ
但馬御火浦
©御火浦海上タクシー
壮観なリアス式海岸の地形景観を観察しよう
/兵庫県美方郡新温泉町
新温泉町岸田川河口から香美町の伊笹(いささ)岬まで、約8kmの岩石海岸を指します。様々な性質の岩石や地層が混在するため、海食でできた洞門、洞窟、奇岩怪石や岬などが連続する複雑な地形が形成されました。 植物や動物全般においても貴重な生物が数多く存在することが知られており、国の名勝及び天然記念物にも指定されています。 また、「レッドデータブック近畿2001」では但馬海岸として「保護上重要な地域」に指定されており、草地ではフナバラソウ、二次林ではヒメニラ、海岸の砂浜にはナミキソウ、ハマナス等が生育しています。
電話:0796-82-5625(新温泉町役場 商工観光課)
住所:兵庫県美方郡兵庫県美方郡新温泉町三尾
諸寄港
©山陰海岸ジオパーク推進協議会
諸寄港と山陰海岸の西側に広がる砂丘を一望しに行こう
/兵庫県美方郡新温泉町
江戸時代から明治時代にかけて活躍した廻船のうち、大阪から瀬戸内海、関門海峡を抜けて日本海沿岸を東北や北海道まで往復していた船を北前船といいます。
山陰海岸の特徴であるリアス式海岸の入り組んだ地形は、北前船の風待ち港(避難港)として活用されました。諸寄港もそのひとつです。狭い入り口から内部に広がる天然の良港で、その巾着型の地形が風待ち港に適していました。現在でも各地の入り江には北前船の保留跡が見られます。
住所:兵庫県美方郡新温泉町諸寄
加陽湿地
©豊岡河川国道事務所
コウノトリのふるさと・円山川水系の自然再生への歩みを見に行こう
/兵庫県豊岡市
コウノトリと人が共生していたかつての原風景を取り戻すため、国の河川事業として堤外地に河川と湿地が一体化した大規模湿地が再生されました。
田畑が広がっていた堤外地にさまざまな生きものが生息・生育・繁殖できるように、一年中水がたまった池のような環境を目指しています。
整備後もモニタリング調査が継続的に実施されており、計画内容の再検討や湿地環境の改良など順応的な整備が進められています。こうして環境の異なる水域が整備されたことで、魚類をはじめとするさまざまな生きものが生息・生育するようになりました。
住所:兵庫県豊岡市加陽582
豊岡杞柳細工(伝統工芸館 杞柳)
©たくみ工芸
かごを細工の製作過程やコリヤナギの栽培地を見学しよう
/兵庫県豊岡市
「豊岡杞柳細工」とは、杞柳(コリヤナギ)を編んだかご細工です。豊岡は古くより円山川の氾濫にみまわれ、米の収穫が不安定であったことから、河原で栽培したコリヤナギを用いたかご作りが始まり、江戸時代には全国的に名を馳せました。その後、時代変遷とともに柳細工やかばん産業として受け継がれ、豊岡はかばんの町として知られるようになりました。
豊岡杞柳細工の歴史は古く、1,200年以上の歴史を有しているとされています。熟練の技が必要で、現在、職人は1人だけとなりましたが、今も昔も栽培から加工まですべて手作業で行うことには変わりはありません。
電話:0796-52-3280(たくみ工芸)
住所:兵庫県豊岡市出石町内町107-1
サイト:https://toyooka-tourism.com/recommend/tradition/kiryu/
保全に関わっている団体
本地域では、年間を通じて様々なイベントが行われています。下記連絡先を紹介します。見学とともにイベントにも参加しましょう。
新温泉町山陰海岸ジオパーク館

館内では日本海形成に関わる地形地質について、標本をもとに説明および岩石と水の関係や地形の成り立ちの実験をしています。エリア内の6地域のジオサイト見学会を年6回実施しています。その他、要望に応じて見学会の案内もしています。
電話:073-447-2660(渋谷)
住所:和歌山市和歌浦中3丁目4-26 玉津島神社
サイト:名勝和歌の浦玉津島保存会ブログ
メール:misoramon@yahoo.co.jp
浜坂先人記念館「以命亭」
©浜坂先人記念館「以命亭(いめいてい)」
江戸時代に浜坂村の庄屋を勤め、酒造業・製糸業であった七釜屋森家の屋敷を改修した新温泉町の先人を紹介する郷土資料館です。 のれんをくぐると古(いにしえ)にタイムスリップしたような空間が広がり、母屋には 七釜屋森家の調度品や酒蔵を利用した以命亭ホールでは、年間を通じて様々な展示会を開催しています。
電話:0796-82-4490
住所:兵庫県美方郡新温泉町浜坂1208
サイト:http://www.town.shinonsen.hyogo.jp
メール:syogaikyoiku@town.shinonsen.lg.jp
特定非営利活動法人コウノトリ市民研究所
©特定非営利活動法人コウノトリ市民研究所
自然環境に関心のある者に対して、生物調査・環境の保全と再生・環境教育に関する事業を行い、コウノトリの野生復帰が可能な自然と共生する社会作りに寄与することを目的として、環境の保全を図る活動に取り組んでいます。
電話:0796-23-7750
住所:兵庫県豊岡市祥雲寺127(豊岡市立コウノトリ文化館内)
サイト:http://kounotori.org/
メール:info@kounotoribunkakan.com
Facebook:kounotoribunkakan
国土交通省近畿地方整備局 豊岡河川国道事務所
©国土交通省近畿地方整備局 豊岡河川国道事務所
豊岡河川事務所では、円山川水系自然再生計画に基づき、かつて野生のコウノトリが生息していた頃にあった湿地などの良好な河川環境の再生を目指し、河川整備と調和を図りながら多様な動植物の生息・生育・繁殖環境の保全・再生に取り組んでいます。
電話:0796-22-3126
住所:兵庫県豊岡市幸町10-3
サイト:https://www.kkr.mlit.go.jp/toyooka/index.php
メール:kkr-otayori-toyooka@mlit.go.jp
X:@mlit_toyooka
その他の訪問先や施設等
湯村温泉
温泉が湧く条件を満たすためには、地下深くまで途切れることなく続く岩盤と、熱源まで続く断層が必要です。湯村の周辺は、地下深くまで続く花崗岩に「湯村断層」が通っており、それに沿って高温の湯が耐えず湧き出しています。この豊富な湯を約400戸の家庭に配湯しています。
電話:0796-92-2000(湯村温泉観光協会)
住所:兵庫県美方郡新温泉町湯98
サイト:http://www.yumura.gr.jp/
御火浦海上タクシー
5月~9月末に運航している海上タクシー。山陰海岸ジオパークの中心に位置する但馬御火浦は、数々の洞門や奇岩に恵まれ、地質の宝庫と言われています。海が凪いだ時には、狭い洞門の中も小船で案内します。
電話:0796-82-5757(冬場は留守番電話)
住所:兵庫県美方郡新温泉町三尾255
サイト:https://www.facebook.com/mihonourakaijyoutaxi/
香美町立ジオパークと海の文化館
山陰海岸ジオパークコーナーでは、地形・地質が育んだ歴史や風土を多角的に紹介しています。香美町の基幹産業である漁業の歴史展示や、日本海の多様性を示す剥製標本の数々は、自然と人間の関わりを考察させてくれます。ジオパークという壮大なテーマを、地元の暮らしという身近な視点から学ぶことができます。
電話:0796-36-4671
住所: 兵庫県美方郡香美町香住区境1113番地
サイト:https://geo-umibun.jp/
Instagram:@kasumiumibun
X:@umibun364672
琴引浜鳴き砂文化館
琴引浜の成り立ちや、微小貝、そして希少な海浜植物のパネル展示を通じ、豊かな日本海の環境を守る大切さを感じることができます。また、全国的にも珍しい「鳴き砂」の音を楽しむ体験は、天候を気にせず屋内でいつでも楽しむことができ、キュッキュと鳴る砂の不思議な感触に思わず夢中になるはずです。
電話:0772-72-5511
住所: 京都府京丹後市網野町掛津1250
サイト:https://nakisuna.jp/
玄武洞ミュージアム
館内では、国の天然記念物「玄武洞」の成り立ちや山陰海岸の多様な岩石、世界の鉱物・化石を展示しており、大地のダイナミズムを体感できます。また、地元の伝統工芸である豊岡杞柳細工の歴史を学べるだけでなく、原料のコリヤナギや籐を用いた本格的なかご編み体験を通じて、受け継がれてきた職人の技に触れることも可能です。
電話:0796-23-3821
住所: 兵庫県豊岡市赤石1362
サイト:https://genbudo-museum.jp/
Facebook:genbudomuseum
Instagram:@genbudomuseum
X:@genbudo_museum
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