17 丹後半島・大江山

大江山雲海 ©公益財団法人京都府観光連盟

環境区分

海域・沿岸域
淡水域
平野・丘陵地
山地域

関連府県

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地域の特徴

自然エリア17 の中部に位置する与謝野町は、京都府北部、日本海に面した丹後半島の尾根を背景とした町です。大江山連峰をはじめとする山並みに抱かれ、野田川流域には肥沃な平野が広がり、日本三景 天橋立を望む阿蘇海へと続いています。
野田川の上流部にある大江山連峰は、動植物の生息環境としても、地質的にも特徴的な場所で、ここならではの生きものや環境を見ることができます。
また、野田川や阿蘇海の水質悪化がきっかけとなり、環境保全のため様々な取り組みが行われており、富栄養化により大量発生した牡蠣の殻を活用したぶどう栽培とワイン作り、アサリによる環境改善等、ユニークな取り組みが成功している場所です。

地域

クローズアップ

大江山

©大江山鬼っこの会

ヒュウガミズキ発見の地・大江山
/京都府与謝野町・福知山市・宮津市

「丹後天橋立大江山国定公園」として指定された大江山は、標高832.5m の千丈ヶ嶽を主峰として連峰をなしています。この大江山連峰は複雑な地形のためか、動植物の生態面では極めて興味深い山であり、植物では種類が豊富で、南方系と北方系の草や花、そして樹林が混じり合う植物の宝庫です。動物でもツキノワグマ、シカ等が見られるほか、野鳥では大江山全体で28 科80 種の生息記録があり、京都府内でも屈指の探鳥地として有名です。昆虫も豊富で、アカエゾゼミ等京都府内で初めてみつかったセミもいます。ヒュウガミズキは本地で初めて発見され、大江山の自然環境を特徴づける植物です。

与謝野町の田園

©与謝野町

コウノトリが飛来する豊かな自然を見に行こう!
/京都府与謝野町

与謝野町は7割以上が山地に囲まれた地域です。与謝野町の農業理念として3本柱があります。農地を守ることは「暮らし」、「景観」、「環境」を守ることとし、「暮らし」は山際にある耕作が困難な農地であっても、この農地で耕作することが有害鳥獣から農地や生活圏を守ること、「景観」は農業のためだけでなく、美しい田園風景の景観と文化を子供や孫の代までつなげること、「環境」は天然のシャケの遡上やコウノトリが飛来する豊かな自然環境の維持及び発展が阿蘇海を守ること、ひいては農作物、海産物、観光、人々の暮らしに還ってくると考えられています。

阿蘇海

©与謝野町

アサリとアマモを用いた環境改善の取組とは!?
/京都府宮津市・与謝野町

天橋立により宮津湾と隔てられた閉鎖性水域であり、近年、富栄養化によるヘドロの堆積や水質汚濁、魚介類の生活環境悪化、藻類の大量発生に起因する悪臭等、多くの問題が顕在化しています。また、後を絶たない不法投棄による漂着ごみの問題も深刻です。この問題の打開に向けてアサリとアマモを用いた環境改善の取組が地元で取り組まれています。アサリについては「天橋立アサリ」のブランド名で特産品としての利用も始まっています。アマモは地元の海洋高校の生徒らがアマモの播種に取り組んでいます。

天橋立ワイナリー

©天橋立ワイン株式会社&有限会社たんごワイナリー

海の資源を陸の生産物づくりに活かす里海・里山を実現!
/京都府宮津市

日本三景・天橋立と内海ʻ阿蘇海ʼ の織り成す幻想的な雰囲気の中に佇むシャトーでは、ワイン発酵室、瓶詰室(ガラス越し)、地下ワインセラー、ぶどう畑の見学ができます。天橋立ワイナリーのぶどう畑に使用されるカキ殻にはカルシウムやミネラル等の栄養分が含まれ、それが土に染み込んで、畑がいい土になっていきます。また、殻を土の中に入れることで、水の通り道ができて畑の水はけが良くなります。

保全に関わっている団体

本地域では、年間を通じて様々なイベントが行われています。下記連絡先を紹介します。見学とともにイベントにも参加しましょう。

大江山鬼っこの会

©大江山鬼っこの会

2008 年丹後で開かれたエコガイド養成講座を受けた有志により大江山の情報発信、自然保護及びガイド事業の発展を図ることを目的として発足しました。四季を通じてハイキングやスノーアクティビティーなど参加して楽しいと思える自然体験を目指しています。

電話:090-4647-6280(澤田)
サイト:https://onikko.club/
メール:ooeyama.onikko@gmail.com
Facebook:ooeyamaonikko

与謝野町農林課

©与謝野町

自然との共生を望む農家の思いによって、有機質肥料の使用を促進し、化学肥料の使用を低減させる農業への転換を推進してきました。その中心となるのが町が製造・販売する100% 有機質肥料「京の豆っこ」を使った自然循環農業の取組です。

住所:〒629-2498 京都府与謝郡与謝野町字加悦433 与謝野町役場 加悦庁舎
電話:0772-43-9023
サイト:https://www.town.yosano.lg.jp/https://agricycle.jp/
メール:norin@town.yosano.lg.jp

与謝野町住民環境課

©与謝野町

阿蘇海の水質悪化により、アオサやヘドロの悪臭、カキ殻の堆積など様々な問題が発生しています。水質改善の取組の一つとして実施しているのが、NPO法人国際ボランティア学生協会(IVUSA)・京都府・宮津市と協働で実施しているカキ殻回収の取組です。

住所:〒629-2392 京都府与謝郡与謝野町字四辻65 与謝野町役場 野田川庁舎
電話:0772-43-9030
サイト:https://www.town.yosano.lg.jp/
メール:juminkankyo@town.yosano.lg.jp

天橋立ワイン株式会社&有限会社たんごワイナリー

©天橋立ワイン株式会社&有限会社たんごワイナリー

日本三景天橋立を見渡す畑で醸造用のぶどうを栽培し、ワインを醸造しています。また畑には水路に堆積し、廃棄が必要となった牡蠣殻を土づくりの材料として使うなど、循環型の農業も実践しています。

住所:〒629-2234 京都府宮津市字国分123
電話:0772-27-2222
サイト:http://www.amanohashidate.org/wein/
メール:aw@amanohashidate.org

その他の訪問先や施設等

きょうと生物多様性センター

生物多様性に関する情報を正確かつ継続的に把握し、収集された知見を基に、生物多様性に係る理解促進や担い手育成、地域や企業の保全活動の支援等を行っています。生物多様性に関わる市民参加型のイベントを多く開催しています。

住所:京都市左京区下鴨半木町(京都府立植物園 植物園会館内)
電話:075-354-5275
サイト:https://www.pref.kyoto.jp/biodic/contact.html

京都府立植物園

日本で最初の公立植物園として、1924年に開園した由緒正しい植物園。24ヘクタールの広大な敷地には、約12,000種類もの植物が植えられています。

住所:​京都府京都市左京区下鴨半木町
電話:075-701-0141
サイト:https://www.pref.kyoto.jp/plant/

この記事に関するお問い合わせ先

関西広域連合広域環境保全局

〒520-8577
大津市京町4丁目1番1号
滋賀県琵琶湖環境部環境政策課内
電話番号:077-522-5664

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