永藤英機委員「仁徳天皇陵と近代の堺」(令和6年10月7日)

関西広域連合 永藤英機委員(堺市長)からのメッセージ

「仁徳天皇陵と近代の堺」


 皆さん、こんにちは。
 堺市長の永藤英機です。


 9月9日に、奈良県明日香村などの飛鳥時代の遺跡「飛鳥・藤原の宮都」を令和6年度の世界文化遺産の推薦候補とすることが文化庁から発表されました。歴史ある関西でまた一つ、世界遺産登録に向けての大きな前進を嬉しく思います。


 堺市にある世界最大級の仁徳天皇陵古墳をはじめとする世界遺産「百舌鳥・古市古墳群」は今年、登録5周年を迎えました。このことを記念して、11月30日に「世界遺産5周年記念 古墳サミット」をフェニーチェ堺にて開催します。今回の古墳サミットは「世界三大墳墓の魅力」をテーマとして百舌鳥・古市古墳群の価値や魅力を皆様にお伝えします。この機会にお申し込みいただき、世界三大墳墓や百舌鳥・古市古墳群の魅力を感じていただければと思います。
https://www.city.sakai.lg.jp/kanko/rekishi/sei/samazama_torikumi/r06/r06kofunsummit.html

 

 そしてもう1点、近代の堺や堺の人々と仁徳天皇陵とのつながりが感じられる取組をご紹介します。
 明治期以降の仁徳天皇陵では、宮内省(現宮内庁)が拝所等の整備を進め、陵墓の濠水(ほりみず)は周辺の田や畑への灌漑用水としても使用されるなど、周辺住民に欠かせない生活資源として日常生活に溶け込みながら維持・管理されてきました。一方で、明治10年の堺行幸(ぎょうこう)では、市内小学校での授業天覧や戎島(えびすじま)錦糸紡績所での器械天覧などが行われ、大正6年には皇太子裕仁親王(後の昭和天皇)が仁徳天皇陵に参拝されるなど、行幸・行啓(ぎょうけい)などの非日常的な営みの中で皇室と堺の新たな関係性が構築されました。


 堺の人々が仁徳天皇陵を中心として密接に関わり合い、共存してきたことは宮内庁宮内公文書館に残されている資料からうかがい知ることができます。こうしたつながりを広く皆様にお伝えする機会として、堺市博物館の企画展として「仁徳天皇陵と近代の堺」を開催しています(9月14日~11月10日)。


 この企画展は、本市と地域連携協定を結んでいる関西大学が実施した宮内公文書館所蔵の歴史文書等の調査研究の成果を広く一般の方々に還元するもので、宮内公文書館と堺市、関西大学が共催で実施します。宮内公文書館が地方自治体と共催で企画展を開催するのは関西では初めてのことです。


 企画展では、テーマを6章に分け様々な切り口から仁徳天皇陵を調査した成果を展示します。仁徳天皇陵をはじめとする百舌鳥古墳群の陵墓の管理などを中心に近代の皇室と堺との関係を読み解くことで、これからの仁徳天皇陵の適切な保全と未来への継承を考える機会にしたいと考えています。


 これらの取組や前回の委員メッセージでご紹介した「鉄炮鍛冶屋敷」を通じて、千年以上にわたり日本の中心地として栄えた関西の豊かな歴史・文化の魅力を堺から国内外へ発信します。
 秋の行楽シーズンにはぜひ堺にお越しいただき、「世界遺産5周年記念 古墳サミット」や企画展「仁徳天皇陵と近代の堺」をお楽しみください。
https://www.city.sakai.lg.jp/kanko/hakubutsukan/exhibition/kikaku_tokubetsu/kindainosakai.html

 

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