岸本周平委員「関西広域農林水産業ビジョンの改訂とクビアカツヤカミキリ対策について」(令和6年7月30日)
関西広域連合 岸本周平委員(和歌山県知事)からのメッセージ
「関西広域農林水産業ビジョンの改訂とクビアカツヤカミキリ対策について」
和歌山県知事の岸本周平です。
本年は高野山や熊野三山などの「紀伊山地の霊場と参詣道」が世界遺産に登録されて20周年という記念すべき年です。世界遺産の維持のために、和歌山県においては道普請を始めとした保全活動や、次世代への育成事業を行っています。
そういった中、農業、林業、水産業の第一次産業を維持し、将来世代へ繋ぐことも非常に重要であると感じています。本年3月に改訂した「関西広域農林水産業ビジョン」においては、SDGs等の持続可能性への関心の高まりや、海外での和食の定着とそれに伴う日本食品の海外需要の拡大など、国内外での情勢の変化を踏まえ、新たな将来像の実現に向けた戦略を定めました。この戦略に基づき、1.地産地消の推進、2.国内外への農林水産物の販路拡大、3.農林水産業の競争力強化、4.農林水産業を担う人材の育成・確保、5.都市との交流による農山漁村の活性化を推し進めていきたいと考えています。
また、喫緊の課題として、クビアカツヤカミキリの被害があります。特に、うめ・かき・みかんなど、生産量全国1位を誇るフルーツを数多く栽培している果樹王国である当県にとって、この被害の拡大は、非常に脅威であると感じています。
クビアカツヤカミキリは、2011年に埼玉県で発見され、2018年には外来生物法に基づく特定外来生物に指定されました。産卵数は最大1,000個以上と非常に繁殖力が高い上に、飛翔力が高く天敵もいないため、被害の拡大防止は非常に困難です。和歌山県内においても、2017年にかつらぎ町で発見されて以降、県内各地で被害が拡大し、本年6月末現在で、もも、すもも、うめ、さくら等で4,149本の被害が確認されています。関西広域連合域内でも、大阪府、徳島県、奈良県、和歌山県、兵庫県、京都府の6府県で被害が確認されています。
この辺りは、先般行われた、関西広域連合議会6月臨時会において、本県選出の小川議員の質問とそれに対する答弁のとおりですが、バラ科樹木の生木を加害するので、被害は果樹だけに留まりません。関西広域連合域内の観光名所などのさくらへの被害拡大も懸念されます。当県においても、防除対策マニュアルの作成や被害樹の伐採費用への支援など各種対策を講じてきたところですが、関西広域連合が一丸となり、引き続き危機感を持った対処を行わなければなりません。
それは、将来の農業従事者などの収入の安定化に繋がり、そして、第一次産業を将来世代に引き継いでいくために必要なことであると考えています。
- この記事に関するお問い合わせ先
-
関西広域連合本部事務局企画課
〒530-0005
大阪市北区中之島5丁目3番51号
大阪府立国際会議場11階
電話番号:06-4803-5587 ファックス:06-6445-8540本部事務局企画課へのお問い合わせはこちら