永藤英機委員「鉄炮鍛冶屋敷のグランドオープンについて」(令和6年3月13日)

関西広域連合 永藤英機委員(堺市長)からのメッセージ

「鉄炮鍛冶屋敷のグランドオープンについて」

 

 

  皆さん、こんにちは。
  堺市長の永藤英機です。

 

  関西広域連合では、令和4年3月に「第2期関西観光・文化振興計画」を策定し、関西を魅力ある国際的な文化観光圏として関西一丸となって取り組んでいます。堺市としても、本市が有する類いまれな歴史や文化を最大限に活かして都市魅力の向上につなげる取組を積極的に進めています。

 

  今回は、3月に新たに開設した「鉄炮鍛冶屋敷※」をご紹介します。

 

  堺で鉄砲が生産されるようになった始まりとしては、1543年の日本への鉄砲伝来から間もない時期に商人の橘屋又三郎が種子島を訪れて鉄砲の製法を学んできたという説と、根来を経由して堺の鍛冶である芝辻清右衛門が伝えたという説が一般的です。

 

  堺には世界遺産「百舌鳥・古市古墳群」に代表される巨大な古墳築造の際に用いられた鉄の加工技術が培われており、中世の堺は国際貿易都市だったため火薬の原料となる硝石を輸入できたことが鉄砲の大量生産に成功した理由とされています。その後、江戸時代に至るまで日本における鉄砲の一大産地となりました。

 

  そのような鉄砲とのつながりが深い堺において、現存する全国唯一の住居兼作業場である「井上関右衛門家住宅」が、今年3月3日に「鉄炮鍛治屋敷」として開設されました。

 

  この「鉄炮鍛冶屋敷」は、2004年に主屋を、2018年には敷地と全ての建物を本市の有形文化財に指定しています。その後、所有者の「貴重な文化財を後世に引き継ぎ保存活用して欲しい」とのご厚志を受けて本市に建物をご寄附いただきました。

 

  屋敷の主だった井上関右衛門は大洲藩(愛媛県大洲市)の加藤家に仕え、分業体制のもとで江戸時代後期には堺でトップの取引先数に成長した鉄砲鍛冶です。鉄炮鍛冶屋敷では、井上家に伝わる2万点以上の資料のうち代表的なものや本物の火縄銃の展示と銃身製造に挑戦できる体験コンテンツ等を通じて、大型古墳の築造に使われた工具から現代の堺刃物や自転車産業につながる堺の金属加工技術の歴史ストーリーの中で重要な役割を担った鉄砲製造の歴史を体感することができます。

 

  また、鉄炮鍛冶屋敷は中世の時代に「黄金の日日」とまで称されるほど繁栄を極めた「環濠エリア」に位置しています。環濠の名残である内川・土居川や歴史的な街並み、伝統産業などの歴史資源も多く集まっていますので、訪れた皆様には環濠エリアや関わりが深い世界遺産「百舌鳥古墳群」がある大仙公園エリアをはじめ堺市内を周遊していただけますと幸いです。さらに、鉄砲鍛冶を通じて関西への周遊性が一段と高まることを期待しています。

 

  皆様、ぜひ堺の「鉄炮鍛冶屋敷」にご来館ください!

 

※「鉄炮」について:火縄銃を指す言葉として鉄炮鍛冶屋敷に伝わる江戸時代の古文書の大部分において「鉄砲」ではなく「鉄炮」が用いられており、古墳時代から現代まで続く鉄の加工技術の象徴として火を起こして鉄を鍛えるイメージを持つ「鉄炮」の字を施設名に採用しています。

 

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