岸本周平委員「関西広域農林水産業ビジョンの改訂について」(令和5年12月21日)

関西広域連合 岸本周平委員(和歌山県知事)からのメッセージ

「関西広域農林水産業ビジョンの改訂について」

 

 

  和歌山県知事の岸本周平です。
  私が、和歌山県知事に就任してからちょうど1年が経ちました。この間、地域で様々な活動に取り組んでいる方々と車座で意見を交換する「タウンミーティング」を各地で開催してきました。色々とお話を伺う中で、農業、林業、水産業の第一次産業が重要であることを私自身あらためて認識しています。

 

  和歌山県は、全国1位の生産量を誇る、うめ・かき・みかんなどのフルーツをはじめ、県土の4分の3を占める森林、紀伊水道や太平洋で水揚げされるタイ・マグロなど、素晴らしい資源に恵まれています。また、世界農業遺産の「みなべ・田辺の梅システム」や、本年10月に世界農業遺産の認定を申請した「有田・下津地域の石積み階段園みかんシステム」など、伝統的な農業と、それにより特有の生態系、文化、景観が生まれた地域としても注目を集めています。さらに、日本における「ワーケーション発祥の地」でもある和歌山県では、梅の収穫作業を手伝いながら参加者自身の仕事も行う「梅収穫ワーケーション」といった新たな取組も始まっています。

 

  関西全体を見渡しても、国内外で高い評価を得ている農林水産物が数多くあります。これは、“都”に近い地域で品質の高い魅力的な産品を生み出し、“都”に売り込み、それが食文化として全国に発信されてきた歴史を物語っているのではないでしょうか。
  こうした歴史や文化とともに発展してきた関西の農林水産業振興を担当する関西広域連合農林水産部では、2013年に「関西広域農林水産業ビジョン」を策定し、地産地消運動の推進による域内消費拡大や、国内外への農林水産物の販路拡大につながる取組を展開してきました。その結果、地産地消運動に賛同し、域内の産物を使った料理を提供していただく社員食堂は180を超え、首都圏等の大型量販店や外食産業のバイヤーとのマッチング商談会では多くの域内事業者から高い評価をいただいています。
  しかしながら、デジタル技術の進歩やライフスタイルの多様化、海外での和食の定着とそれに伴う日本食品の需要拡大など、農林水産業を取り巻く環境は大きく変化しています。また、全国的な課題でもありますが、第一次産業に携わる方々の所得の不安定化、就業者の減少、高齢化といった課題への対応に加え、大阪・関西万博やワールドマスターズゲームズ2027関西などの世界から注目されるイベントを契機とした農林水産物等のPRに強力に取り組んでいく必要があります。そのため、有識者の方々や構成府県市の皆さんと、農林水産業の今後の将来像や戦略の再編に向けたビジョン改訂の議論を現在行っているところです。
  農林水産業の発展は産地間の競争と協力の両面が重要ですので、構成府県市の独自施策とも連携しながら、農林水産業が関西の活力の一翼を担う重要な産業となるよう、引き続き取り組んでまいります。

 

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