門川大作委員「いのち輝く未来社会のデザイン -大阪・関西万博からその先へ-」(令和5年11月2日)

関西広域連合 門川大作委員(京都市長)からのメッセージ

「いのち輝く未来社会のデザイン -大阪・関西万博からその先へ-」

 

 

  京都市長の門川大作です。

 

  「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに掲げる、大阪・関西万博が開幕までいよいよ1年半を切りました。関係者のご尽力に敬意を表します。
  今、日本、そして世界は自然災害、紛争、感染症、そして地球温暖化など様々な課題を抱える困難な時代を迎えています。
  京都は、1200年を超える歴史のなかで、「いのち」をテーマに、力を合わせ、疫病や自然災害、そして戦乱、様々な困難から立ち上がり、持続可能で、より魅力あふれる都市を築いてきたまちであります。今の時代に、その歴史に学び、京都が有する強みや経験を、大阪・関西万博を契機に、皆さんとともに世界に発信していきたいです。
  既に、京都府や経済界、関係団体などとともに「大阪・関西万博きょうと推進委員会」を立ち上げ、「文化・環境」「産業」「観光」「地域」をテーマに準備を進めております。
  さらに、オール京都での取組として、企業や団体による大阪・関西万博を契機とした取組を認証し、活動を応援する「大阪・関西万博きょうと推進委員会認証制度」の創設をはじめ、京都での機運醸成イベントの開催などを推進しています。

 

  大阪・関西万博に関連するイベントとして、今春、文化庁の京都・関西への全面的移転が実現し、日本の「文化の都」となった京都において、関西の経済界を中心に設立されました「夢洲新産業・都市創造機構」が主催される「第1回日本国際芸術祭」が、京都・醍醐寺をメイン舞台として9月から10月にかけて開催されました。日本国際芸術祭は、大阪・関西万博を契機とした新たな国際的な芸術祭。万博までも、そして万博後も、アート・デザイン・サイエンス・テクノロジー・経済の共創を目指し、京都・関西から全国へ繋げる形として創り上げていかれます。

 

  さて、京都市では、10月に、芸術大学として日本で最も古い143年の歴史を誇る京都市立芸術大学の京都駅東隣・崇仁地域への移転が完了しました。
  3月に機能を強化した文化庁が全面移転、そして大阪・関西万博を控えたこのタイミングでの移転は、ひとつの大学の移転に留まらず、文化を基軸としたまちづくりに魂を入れるものであります。そして、移転構想発表から10年、崇仁地域をはじめ南の東九条地域(チームラボのデジタルアートミュージアム、スーパーブルーの体験型アートセンターの開業、THEATRE E9 KYOTOの創設など)や北の菊浜地域など、幅広い地域が画期的に変化。文化芸術と大学が地域に与えるインパクト、新しい価値の創造を多くの方々と実感しています。
  そして、アートとサイエンスの融合によりイノベーションを起こし、社会課題解決に向けたスタートアップを進展させ、京都の経済界や大学はもとより、関西でも幅広い連携が構想されています。また、新キャンパス内では、世界人権問題研究センターと総合地球環境学研究所の機能と併せたSDGs達成に向けた活動が、民間企業・団体や大学等により展開されます。
  芸大移転は、芸術家を育て、経済を活性化し、あらゆる社会課題の解決のため、誰一人取り残さない、持続可能で多様性と包摂性のあるまちづくりの象徴的な取組であり、大阪・関西万博、さらにその先にもつながる取組です。移転に伴う様々なプロジェクトを通じて、文化による地方創生の実現、「文化の都」京都としての役割を果たしていきたいと思っております。
  大阪・関西万博の成功に向け、より一層、関西の皆様と連携し、文化庁とも手を携えて取り組んでまいります。

 

  また、ご心配をおかけしておりました京都市の財政状況。長年、収支不均衡が続いていましたが、令和5年度当初予算において22年ぶりに収支均衡を達成。さらに令和4年度決算では、事務の効率化や働き方改革の徹底等による人件費の削減、本市独自施策の持続可能な視点での丁寧な見直しなどによる歳出削減と、過去最高の税収等により77億円の黒字決算(過去最高)となり、長年の課題であった持続可能な行財政の確立へ大きな前進を果たしました。
  これは、財政状況をフルオープンの場で改めてわかりやすく全て公開し、議会での議論も踏まえて行財政改革計画を策定。丁寧な説明を行いながら、市民、事業者の皆さんの協力の下、覚悟を決めて行財政改革を断行。また、国・府との密接な連携による市民生活・事業者の下支え、そして、長年の都市の成長戦略を進めた結果、担税力が向上したものであります。市民、事業者の皆さんに心から感謝しております。
  しかし、これからが大事です。気を緩めることなく行財政改革を推進すると同時に、京都の強みを最大限生かし、市民、地域企業の豊かさにつながる成長戦略、文化と経済の好循環に取り組み、足腰の強い行財政を確立し、魅力あふれる京都市を、未来へと継承・発展させてまいります。

 

 

この記事に関するお問い合わせ先

関西広域連合本部事務局企画課

〒530-0005
大阪市北区中之島5 丁目3 番51号
大阪府立国際会議場11階
電話番号:06-4803-5587 ファックス:06-6445-8540

本部事務局企画課へのお問い合わせはこちら