久元喜造委員「神戸登山プロジェクトを始動します」(令和5年3月13日)

関西広域連合 久元喜造委員(神戸市長)からのメッセージ

「神戸登山プロジェクトを始動します」

 

 

  神戸市長の久元喜造です。

 

  関西広域連合では、新しい時代の文化・観光首都をめざして、関西の特長・魅力でもある有形・無形の文化財や生活文化、自然や気候などの観光資源を最大限に活用した、SDGsに貢献する持続性の高い観光の推進に取り組むこととしています。その新しい時代の象徴の一つである2025年大阪・関西万博の開催に向けて、各自治体の特性や地域資源を有効活用し、関西エリアへのインバウンド需要のさらなる拡大に取り組んでいくことが重要です。
  そこで神戸市においても新たな観光戦略に取り組みます。神戸の大きな特徴のひとつは港町でありながら、六甲山系をはじめとした魅力的な「山」が多くあることです。神戸の「山」にスポットをあて、その魅力を磨き上げ、新たな観光戦略とする「神戸登山プロジェクト」を始動します。
  神戸の「山」にまつわる逸話は古く、平安時代に遠く京都から貴族が「布引の滝」(新神戸駅の山側にかかる滝)を見物に来ていたことが伊勢物語に紹介されています。また、明治の開港後は、外国人が神戸に滞在するなかで六甲山登山を楽しむようになり、これが近代登山の発祥とも言われています。このように、古くから神戸の山が親しまれてきた歴史的な背景もあり、神戸には登山文化が根付いてきました。
  神戸の登山文化を象徴するのが、早朝登山を日課とする「毎日登山」です。登山途中に茶屋で朝食をとる人、体操をする人、神社に参拝する人など、「毎日登山」は色々なスタイルで楽しまれ、日課とする人々が1万人もいたとも言われています。
  一方で様々な課題もあります。大雨による道崩れで登山道が通れなくなって荒廃したり、別荘や保養所、案内板などが老朽化して放置されている状況も見受けられます。これらを改善し、多くの方により安全・安心に登山を楽しんでもらえるプロジェクトを進めます。
  プロジェクトの1つ目は、神戸登山の新たな玄関口の設置です。JR新神戸駅に登山情報の発信や登山グッズのレンタルを行う拠点を新設します。2つ目は、登山者が一休みできる休憩スポットの整備です。登山道に設置する休憩キャビンのほか、登山の前後に気軽にトイレ利用や休憩ができる飲食店や銭湯、コンビニを「登山サポート店」として募り、街全体で登山を盛り上げます。3つ目は、アウトドアスポーツの導入です。北区の丹生(たんじょう)山の麓にある「つくはら湖」でカヤックやサップなどのアクティビティも楽しめるようにしたいと考えています。
  また、安心安全な山歩きのために、登山道のメンテンナンスに市役所だけでなく、企業などにも参画いただき、よりスピーディーなメンテナンスを進めます。さらに、登山用GPS地図アプリも活用し、登山者からの投稿や、アプリに蓄積された登山者の活動記録を分析し、登山道情報の収集や道迷い・遭難の防止につなげます。
  市民に愛されてきた神戸の山々を国内外の多くの方に楽しんでいただくことで、関西圏へのインバウンドの呼び込みに一層貢献できるよう、官民一体となって取り組みを進めます。

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