西脇隆俊副広域連合長「京都の夏を彩る祇園祭」(令和4年6月27日)

関西広域連合 西脇隆俊副広域連合長(京都府知事)からのメッセージ

「京都の夏を彩る祇園祭」

 

  

  副広域連合長、京都府知事の西脇隆俊です。

 

  「文化の力で関西・日本を元気に」と関西全体で文化庁移転をバックアップしてまいりましたが、いよいよ令和5年3月27日に文化庁が関西・京都で業務を開始されることとなりました。観光・文化を担当する委員として、世界の人々があこがれる「文化・観光首都」関西の創造に向けて邁進していきたいと思います。

 

  7月を迎えると夏祭りの季節がやってまいります。祭りはそれぞれの地域の人々がその地域ならではの生活に根ざし、継承してきた大切な地域文化です。また、祭りの準備や練習を重ねることで世代を超えた交流を促進し、コミュニティの絆づくりにも大きな役割を果たしています。ユネスコ無形文化遺産には、地域社会の安泰や災厄防除を願うとともに、地域の人々が一体となり執り行う、地域の文化の粋をこらした華やかな飾り付けが特徴の「山・鉾・屋台行事」として「京都祇園祭の山鉾行事」など33の祭礼や行事が登録されています。

 

  その「祇園祭」ですが、今年は3年ぶりに山鉾巡行が行われます。平成26年に後祭(あとまつり)が復活して以来、山鉾巡行は前祭(さきまつり)の7月17日と後祭の24日の両日に行われています。各町で建てられる山鉾は今でも、釘を一本も使わず、木と縄だけで組み立てられます。巡行する鉾のうち最大のものは12トンにも達し、組立・巡行・解体には延べ180人もの人手を要すると言われています。また、今年は1826年を最後に巡行を休止していた「鷹山」(たかやま)が復元され、約200年ぶりに山鉾巡行に参加されることとなりました。幕末の大火などで装飾品などの多くが消失していましたが、地域の皆さんの熱い思いにより、お囃子の復活、鷹山保存会の設立など、一歩一歩、山鉾巡行に向けて取り組まれ、ついに鷹狩りの様子を表した素晴らしい曳山(ひきやま)を完成されました。私も3年ぶりに行われる山鉾巡行を大変、心待ちにしているところです。

 

  そして、宵山の時期にあわせて山鉾町の旧家・老舗が屏風など所蔵する素晴らしい美術品・調度品を道行く人々に披露する「屏風祭り」も行われています。京の町衆たちの「おもてなし」の心は今も大切に受け継がれていて、宵山をそぞろ歩きしながら秘蔵の美しい屏風を見る時間は京都ならではです。

 

  京都生まれの私にとって、祇園祭はとても思い出深いものです。宵山の駒形提灯に照らされた山鉾の美しさと人々の熱気と屋台。そして、鱧も欠かせません。淡路島観光協会主催の「ハモ道中」では鱧を八坂神社に奉納されますが、鱧の美味しい時期と重なることから祇園祭を鱧祭と呼ぶこともあるそうです。丁寧に骨切りされた鱧の湯通しは白い花のように美しく、あっさりとしていて、口に入れるとふわっと広がります。まさに京の夏のご馳走です。ぜひ皆さんにも祇園祭を楽しんでいただき、夏の鮮やかな思い出を作っていただきたいと思います。

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