久元喜造委員「神戸市のカーボンニュートラルの取り組み」(令和4年2月18日)
関西広域連合 久元喜造委員(神戸市長)からのメッセージ
「神戸市のカーボンニュートラルの取り組み」
神戸市長の久元喜造です。
SDGsの達成に向けて、国や自治体においても持続可能な取り組みを進めていくことが求められており、都市のもつ地域の特性や資源をしっかりと活かしていくことが重要です。神戸市は、市街地の目の前に海が広がり、国際港湾都市として海と一緒に発展してきました。また、六甲山の北側や郊外には豊かな農村・里山地域が今も息づいています。2050年のカーボンニュートラル実現をめざす神戸市における、多様な地域資源を活かした取り組みのひとつがブルーカーボンの活用です。近年、樹木の老化と不適切な管理により森林のCO2吸収量が減少しています。そこで、藻類などの海洋生物によってCO2を取り込み、海底に有機炭素を貯留する仕組みとして注目されているのがブルーカーボンです。
神戸市では、神戸空港島周辺の藻場がCO2吸収源として果たす役割を分析・評価し、CO2削減量をクレジット化して取引するカーボンオフセットの仕組みとして活用することができないか、研究機関とともに検討を進めています。
さらに、神戸市水道局が保有する貯水池を利用して、水道水のカビ臭を押さえるために有効なササバモを使ったCO2の吸収効果を評価するための実証実験に取り組んでいます。神戸市には多くのため池や中小河川などの淡水域があり、長年にわたって豊かな生態系が育まれてきました。この地域資源を有効に活用するため、現在、学生団体や大学のチームが主体となって進めている、淡水域におけるブルーカーボンの評価手法が確立できれば全国初の取り組みとなります。
このほか、液体にした水素を海外から海上輸送し、神戸港で荷揚げ・貯蔵する世界初のプロジェクトや、水素を燃やして発生した電気や熱を街中に供給する実証事業が、産学官の連携により神戸を舞台に進められています。また、神戸港における水素エネルギーの活用や脱炭素化に取り組むカーボンニュートラルポートの実現に向けた検討も進めているところです。
海洋国家であるわが国において、ブルーカーボンの活用など、地域や企業を巻き込んだカーボンニュートラル実現への様々な取り組みが、神戸のみならず関西、日本全国に広がっていくことを期待します。
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