西脇隆俊副広域連合長「芸術の秋、古典の秋」(令和3年10月29日)

関西広域連合 西脇隆俊副広域連合長(京都府知事)からのメッセージ

「芸術の秋、古典の秋」

 

副広域連合長、京都府知事の西脇隆俊です。

 

秋も深まり、日が暮れるのが早くなりました。「秋の日は釣瓶落とし」とは昔の人は上手く例えたものです。朝夕が冷え込みますので、体調を崩さないようお気をつけください。これから京都は紅葉狩りで賑わいますが、今年も新型コロナウイルスが収束しきらない中で迎えることとなりました。人混みを避け感染対策をしっかりして紅葉をお楽しみください。

 

秋と言えば、実りの秋、食欲の秋、スポーツの秋、読書の秋など、様々な楽しみが多い季節です。文化もその一つで、芸術の秋ともよく言われますし、11月3日の文化の日、そして11月1日の古典の日と、文化にまつわる記念日が多い季節です。さて、古典の日を皆さんご存知でしょうか。祝日ではありませんので馴染みの薄い方も多いと思いますが、「古典の日に関する法律」に定められた国が認めた記念日です。

 

古典の日は、紫式部の『源氏物語』の存在が確認(『紫式部日記』)できる最古の日付、寛弘5(1008)年11月1日が由来です。『源氏物語』は世界20カ国以上に翻訳され、世界最古の長編小説と言われていますので、世界に向けても分かりやすい由来だと思います。『源氏物語』の最後の十帖の舞台となった宇治には、源氏物語ミュージアムや物語にちなんだ石碑やモニュメントがあります。紅葉はもちろん、宇治茶や茶団子なども楽しめますから、宇治川沿いは私のお気に入りです。

 

折角ですので、古典の話を続けたいと思います。皆さん人形浄瑠璃をご存知でしょうか。文楽としてご存知の方もいらっしゃると思います。文楽は人形浄瑠璃の一座で、幕末に人気を博した大阪の文楽座が由来です。人形浄瑠璃は、関西発祥で、今では、全国各地で公演されていますが、関西では、大阪府の文楽劇場のほか、兵庫県の西宮や淡路、徳島の阿波、京都府の亀岡や和知、滋賀県の冨田、鳥取県の円通寺や水口、新田などで、それぞれの地域に継承されてきた特徴ある人形浄瑠璃の公演が行われています。

 

もともと「三味線」と物語を語る「太夫」を組み合わせた「浄瑠璃」を、もっと楽しんでもらえるようにと「人形」を合わせたものが人形浄瑠璃です。音だけのラジオからテレビへの進化と言い換えられそうです。当時では画期的なイノベーションだったのでしょう。私も子供の頃、人形浄瑠璃ではありませんが、テレビで放送されていた人形劇を楽しんでいました。子供でも楽しめるのですから、人形浄瑠璃が流行ったのも頷けます。ぜひ皆さんもこの機会に、公演をご覧になってください。関西広域連合のYouTubeチャンネルで、人形浄瑠璃を分かりやすくレクチャーする動画を公開していますので、鑑賞前にご覧になられるとより楽しんでいただけると思います。

 

最後に、来月実施します「関西文化の日」をご紹介して終わりたいと思います。「関西文化の日」は、関西の約400の文化施設のご協力により、11月の特定日の入館料が無料になる取組です。無料となる特定日は文化施設ごとに異なりますので、詳しくは、ウェブサイト「関西文化.com」かリーフレットでご確認ください。ぜひこの機会に関西の博物館や美術館などにお立ち寄りいただいて、関西文化の魅力に触れていただければ幸いです。

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