仁坂吉伸広域連合長「ONE関西」(令和3年10月14日)

関西広域連合 仁坂吉伸広域連合長(和歌山県知事)からのメッセージ

「ONE関西」

 

  関西広域連合って「何をしているのか分からない」、「意味があるのか」とよく言われるのですが、関西広域連合が設立されたからこそできていることが実は結構たくさんあります。
  そもそも、関西広域連合では、目指す目的の一つに、「関西における広域行政を展開する(関西全体の広域行政を担う責任主体づくり)」があり、設立以来、7つの分野で広域行政に積極的に取り組んできております。
  そのうちの一つが、資格・免許試験等(准看護師試験など)の分野で、これはかつて各府県がそれぞれ行っていた事務を府県から切り離して関西広域連合の本部事務局で統合して行っています。
  他の広域防災や広域観光・文化・スポーツ振興などの6つの分野は、それぞれの県で行う事務は残っていますが、協力したり一緒に力を合わせたりすると、もっと行政の実が上がるという方向で頑張っているものがたくさんあります。「協力して一緒にやろう」、いわゆる「ONE関西」の取組です。これらはすべて広域連合でいつも話し合って相談しているからできたことで、広域連合がなかったら生まれていなかったことと考えていいでしょう。以下、思いつくままに「ONE関西」の取組を列挙してみました。

 

(広域防災関係)
■カウンターパート方式による被災地支援
  ・東日本大震災発災の二日後(H23年3月13日)、連合委員会において、カウンターパート方式による支援体制を決定、以後の大規模災害における支援モデルを確立
■広域応援訓練の実施
  ・関西広域応援訓練(実動訓練、図上訓練)の実施
  ・近畿2府7県合同防災訓練での広域応援訓練(救援物資輸送訓練)への参画
■帰宅困難者及び外国人観光客対策の推進
  ・災害時帰宅支援ステーション協力店の整備(11,396店)
  ・関西広域連合帰宅困難者NAVIの制作


(広域観光・文化・スポーツ振興関係)
■関西広域連合トッププロモーション
  ・R1:フランス・英国、H30:中国、H29:豪州・ニュージーランド
■海外プロモーション
  ・プロモーション動画制作
  (英語、中国語(簡体字版、繁体字版(Youtubeで51万再生 10/2現在)))
  ・旅行博出展、商談会主催(デジタル開催を含む)
  ・海外旅行誌やガイドブック、海外メディアを通じた情報発信
  ・動画配信プロモーション
■広域周遊ルート「THE EXCITING KANSAI」
  ・8つのコンセプトに基づくルート作りを進め、情報発信やツアー商品造成を促進
■観光情報サイト(日本語、英語)
  ・「The KANSAI Guide」:関西の観光の魅力を海外に発信する基本サイト
  ・「プレミアム関西」:関西ならではの特別な文化体験等の観光の魅力を発信する日本人向けサイト(R3新規、海外向け英語サイトは12月開設予定)
■通訳案内士事業
  ・研修会、セミナー開催
  ・通訳案内士エスコートツアー検索サイト制作(R3新規、3月開設予定)
  ・ホテルコンシェルジェと通訳案内士とのマッチング(R3新規、3月開始予定)
■KANSAIフリーWi-Fiアプリ
  ・関西の各観光地に整備されているアクセスポイントにアプリ一つで接続
■訪日外国人専用交通系ICカード「KANSAI ONE PASS」
  ・関西の主要鉄道・交通機関で利用可能、カード提示で優待
■関西文化の日(11月)、関西文化の日プラス(1月)
  ・期間中に賛同を得た関西の文化施設の無料開館を実施
■生涯スポーツの振興
  ・関西シニアマスターズ大会や障害者スポーツ体験会(ボッチャ等)の開催
  ・関西スポーツ応援企業表彰の実施
  ・スポーツ指導者講習会の実施
  ・関西広域サイクリングルート(6ルート)の設定とイベントの実施
  ・ウォーキングイベントの実施


(広域産業振興関係)
■広域的プラットフォームの構築
  ・公設試の情報を一体的に運用するポータルサイト「かんさいラボサーチ」の開設
  ・産総研や公設試などが一堂に会し、研究成果等の発表とビジネスマッチングを行う「産業技術支援フェア in KANSAI」の開催
■マーケットの拡大支援
  ・関西の魅力発信につながるデザインや実用性に優れた工業製品を認証する制度「CRAFT14」により69製品(R3年3月現在)を認証し、首都圏の百貨店やECサイトで販路開拓支援
  ・海外販路開拓セミナーと個別相談会の開催
■地産地消運動の推進
  ・構成府県市内のモデル校64校の学校給食に域内農林水産物を相互に提供し、出前授業を実施(例えば、神戸市内の小学校において和歌山の有田みかんを提供、出前授業も実施)
  ・「おいしい!KANSAI応援企業」の登録(142施設)、社員食堂での構成府県市の食材を使ったメニュー提供と産品販売イベントの実施
  ・直売所間の交流イベントの実施
■販路拡大、6次産業化等の農林水産業振興
  ・「関西の食リーフレット」の作成、海外輸出セミナーの開催
  ・「関西広域連合農林水産業就業ガイド」、「農林水産業就業促進サイト」、「都市農村交流サイト」の作成
  ・「農業大学校ガイド」の作成と入学希望者の相互受け入れの実施


(広域医療関係)
■ドクターヘリの一体的な運航体制の構築
  ・H23.4から3府県ドクターヘリを、H25.5から大阪府及び徳島県ドクターヘリを広域連合に移管、以後順次拡大。現在7機のドクターヘリを配置・運航し、相互応援体制を構築(2年度運航実績4,234回(元年度4,470回))
  ・ドクターヘリ搭乗人材(医師、看護師)の育成
■災害時における広域医療体制の強化
  ・災害医療コーディネーターの養成、災害医療訓練の実施
  ・新型コロナウイルス感染症対策における広域連携(医薬品・医療資機材及び医療専門人材の広域融通調整、検査の広域連携、広域的な患者受け入れ体制の連携)


(広域環境保全関係)
■低炭素社会づくりの推進
  ・関西のエコスタイルキャンペーンの実施(夏のエコスタイル、夏のクールチョイス、冬のエコスタイル)
  ・関西エコオフィス運動の展開(1,768事業所)
■自然共生型社会づくりの推進
  ・「関西の活かしたい自然エリア」(23エリア)の選定・公表と自然エリアエコツアーモデルコースの作成と体験学習の実施
  ・広域連携による鳥獣害対策(関西地域カワウ広域保護管理計画(H25.3策定)を策定し、カワウの広域管理を実施、ニホンジカや外来獣等の捕獲事業の発注時の注意や捕獲手法等についての研修会を実施)
■循環型社会づくりの推進
  ・マイボトル運動の実施(「マイボトルスポットMAP」の作成)
  ・「関西プラスチックごみゼロ宣言」を発出(令和元年5月)


(資格試験・免許関係)
■資格試験・免許事務
  ・調理師・製菓衛生師、准看護師の試験・免許業務、登録販売者・毒物劇物取扱者試験業務を一元的に実施(滋賀、京都、大阪、兵庫、和歌山、徳島の6府県)


(広域職員研修関係)
■広域的な視点の養成、業務執行能力の向上を図り、職員間交流につなげるための研修
  ・関西における共通課題等について研究などを行う政策形成能力研修や他団体の研修を受講し合う団体連携型研修などを実施


  このように広域でやった方が良いものは今後もどんどん増やしていこうと思いますし、どうやって強化していくかについてもいろいろ議論したら良いと思います。
  もちろん、その際もコンセンサスが大事です。構成府県市の首長がそれぞれの住民とよく相談して、その賛意を得て、これらONE関西の取組を増やしていったら良いと思います。

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