三日月大造委員「変えよう、あなたと私から。未来と今の「幸せ」のために。」(令和3年7月30日)

関西広域連合 三日月大造委員(滋賀県知事)からのメッセージ

 

「変えよう、あなたと私から。未来と今の「幸せ」のために。」

 

  皆さんこんにちは。滋賀県知事の三日月大造です。

  長かった梅雨がようやく明けて、夏本番を迎えています。暑中お見舞い申し上げます。
  東京オリンピックでは、連日、感動をいただいています。滋賀県出身の競泳「大橋悠依選手の2冠!」の快挙に、滋賀県も盛り上がっています!「スポーツの力」を広げて、私たちの「幸せ」や「健康しが」をつくっていきたいと思います。

  一方で、新型コロナウイルス感染症は再拡大し、新たな波の中にいます。基本的な感染対策を徹底しながら、ワクチン接種を進めて、社会全体で集団免疫を高めていきましょう!

  梅雨の豪雨による土石流等で、被害に遭われた方、亡くなられた方が大勢いらっしゃいます。今なお捜索中の方もいらっしゃいますが、改めて被災された方々にお見舞いを申し上げたいと存じます。

  今回は2つのことを紹介します。

  一つ目は関西広域連合の取組です。
  関西広域連合では、平成25年の台風18号における水害を契機として、平成26年に「琵琶湖・淀川流域対策に係る研究会」を立ち上げ、琵琶湖・淀川流域の諸課題の解決に向け、政策決定に資するデータを準備するための基礎的調査を行うとともに、広域連合として優先的に取り組む課題について、具体的な解決策の検討を進めています。
  現在は、○水害が発生した際の広域的な相互扶助制度としてリスクファイナンスという手法を用いた「水災保険」の仕組みや、○流域の健全な水循環のための新たな取組の可能性など、琵琶湖・淀川流域の未来のための新しい仕組みづくりについて、皆で議論をしています。
  府県域を越えた「水のつながり」を大切に、その恵みと災いに正面から向き合い、プラスチックごみ問題をはじめとする新たな課題に上流にいる人と中流や下流にいる人が広域的に、かつ統合的に連携しながら対応する、という、挑戦的で、先進的な取組を進めています。

  二つ目は、琵琶湖をお預かりする「滋賀県からの発信」です!
  皆さんは、7月1日が「びわ湖の日」であることをご存じでしょうか?
  昭和52(1977)年に琵琶湖では大規模な淡水赤潮が発生しました。これを受け展開された「石けん運動」を背景とし、滋賀県では窒素やリンの工場排水規制等を定めた滋賀県琵琶湖の富栄養化の防止に関する条例を昭和55(1980)年7月1日に施行。その翌年、条例施行1周年を記念して7月1日を「びわ湖の日」とし、今年で「40周年」を迎えました。

  毎年、この「びわ湖の日」の前後、県内各地で、自治会や事業所などが主催し「びわ湖を美しくする運動」として環境美化活動を実施します。10万人以上の方々が参加し、湖岸や琵琶湖に流れ込む河川、周辺環境の清掃美化に汗を流します。この継続的な実践は、私たちの誇りとするところですし、大事にしたいと思います。
  また、この活動に呼応いただき、下流域の淀川から上流域の琵琶湖を思う活動として、淀川水系にて河川清掃が行われるなど、下流域での取組に感謝するとともに、取組の新たな広がりに強く期待を寄せています。毎年7月1日は、琵琶湖・淀川流域で生活・活動をされている皆様とともに、水の恵みに感謝し、その思いを共有できるような日にしていきたいです。

  現在の琵琶湖は、県民や事業者をはじめ各方面の皆様の努力により、平成22年以降、淡水赤潮の発生はありませんし、一昔前に比べ水質は改善してきました。しかしながら、▲在来魚介類の減少や▲水草の大量繁茂、▲外来動植物の侵入・定着といった生態系の課題などに加え、以前もお伝えした▲琵琶湖で全層循環が2年連続で未完了となったこと、また▲プラスチックごみの問題が顕在化するなど、琵琶湖が抱える課題はますます複雑化、多様化しています。

  こうした課題に対応するため、「びわ湖の日」40周年を契機に、滋賀県から「変えよう、あなたと私から」というメッセージを添えて、「マザーレイクゴールズ(MLGs)」を発信することとしました。このマザーレイクゴールズ(MLGs)は、2030年に環境と経済・社会活動をつなぐ健全な循環をつくるため、琵琶湖を切り口に独自の13のゴールを設定したもので、言わば「琵琶湖版のSDGs」です。
  策定にあたっては、県民やNPO、有識者など多様な主体が参画する会議やワークショップなどを通じて、琵琶湖に関わるたくさんの人の思いが集約されており、SDGsを意識しつつも、より自分ごとと捉えられるよう、一人ひとりの行動の変化が持続可能な社会や環境をつくることにどのようにつながるのかを考えて作られました。

  マザーレイクゴールズ(MLGs)のゴール6は「森川里湖海(もり・かわ・さと・うみ・うみ)のつながりを健全に」です。
  これは、13のゴールを考えるにあたり、淀川流域で活動されているNPO等の皆さんと意見交換をしたところ、「下流部からも琵琶湖に心を寄せられる目標が欲しい」とのご意見をいただいたことから設定したものです。
  現在、このマザーレイクゴールズ(MLGs)の取組を広げるため、水源の未来に思いを寄せる方々の賛同者を広く募集しています。ぜひとも皆様にもご賛同いただけると幸いです。詳しくは、次のサイトをご覧ください。
  https://mlgs.shiga.jp/

  琵琶湖は私たちの暮らしを映す鏡でもあり、地球環境を見通す窓でもあります。取り囲んでいる山と森、流れ注ぐ川、私たちが住む里のつながりの中で、それらを常に意識し、より良い状態にするための行動につなげていきます。この目標の達成のために努力を積み重ねていきたいと思いますし、何より流域全体で思いを共有し、行動につながっていくことを願ってやみません。
  是非、皆さん、一緒に思いを共有し、行動につなげていきませんか?
  一緒に頑張りましょう!

  最後に、7月末に任期満了をもって兵庫県知事を退任される井戸敏三さんに、滋賀県民を代表し、感謝の心を贈ります。
  兵庫県知事として、阪神・淡路大震災からの創造的復興を先導され、そのご経験から、全国で頻発する自然災害への対応、防災減災対策を率先して推進していただきました。平成22(2010)年には「関西広域連合」を立ち上げられ、初代連合長としてリーダーシップを発揮してくださいました。たくさんの課題や難局がありましたが、井戸さんの明るく優しい言動や地方自治を大切にされるブレない信念が、多くの人びとの共感を集めてこられました。私は、井戸さんが常々おっしゃっていた「関西は一つ、関西は一つ一つ」という言葉が好きです。これからの関西の、関西らしい持続的な発展を、皆さんとともにつくってまいる所存です。
  本当にお疲れ様でした。そして、ありがとうございました!

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