西脇隆俊副広域連合長「暑い夏を生活の知恵で乗り切る」(令和3年7月13日)

関西広域連合 西脇隆俊副広域連合長(京都府知事)からのメッセージ

「暑い夏を生活の知恵で乗り切る」


  副広域連合長、京都府知事の西脇隆俊です。
  今年は偏西風の蛇行の影響を受け、例年よりも3週間早く梅雨入りを迎えました。例年ではまもなく梅雨明けとなり、いよいよ夏本番を迎えます。新型コロナウイルス感染症への警戒は引き続き必要ですので、マスク、手洗い、換気や密を避けるなど、感染防止対策をしっかりと行っていただきながらも、熱中症予防など体調管理にも気を配っていただいて、この季節ならではの工夫で過ごしていただければと思います。

  私が生まれ育った京都では、祇園祭の巡行が昨年に続き中止となって本当に残念に思っていますが、7月に入ると山や鉾の組立てが始まり、いよいよ夏本番を迎える実感が湧いてきたものです。

  夏の風物詩といえば他にも、8月に行われる地蔵盆(じぞうぼん)があります。地蔵盆は京都だけでなく、関西一円、全国各地で行われ、地蔵菩薩の縁日(旧暦7月24日、又は新暦8月24日)に近い土日に行われるところが多くなっています。地蔵盆が近づくと町内では、祠からお地蔵さんを出して、お化粧を行い、新しい前掛けを着せ、祠の前や広場にテントを設置して祭壇を設け、お地蔵さんを祀ります。町内安全や子供の健やかな成長を願う伝統行事のため、主役は子供たちです。子供たちが絵を描いた行燈が飾られたり、お菓子が配られたり、おもちゃが当たる福引きが行われたりと、子供たちにとっては夏の大きな楽しみです。マンションなどお地蔵さんがいない町内でも夏祭りとしてお菓子配りや福引きが行われるなど形を変えながら行われています。

  京都の夏は、三方を山々に囲まれた盆地であることからとても蒸し暑くて過ごしにくいと言われます。8月の最高気温の平年値は33度を超え、湿度は平均で66%とのことですが、最近は体温を超える気温でも驚かなくなりました。

  厳しい夏を乗り切るため、京都では暮らしの中でさまざまな工夫が受け継がれてきました。
  例えば、平安貴族に貴ばれた氷室(ひむろ)の氷を模したういろうの上に、邪気払いの効能を持つとされる小豆をのせた三角形の「水無月」と呼ばれるお菓子。夏越祓(なごしのはらえ)の6月30日に食べることで暑い夏を無事に過ごせるようにと京都を中心に親しまれてきました。今では夏の定番のお菓子で、見た目で涼しさを感じられます。
  また、玄関前の通路や庭に水をまいて周囲の暑さを和らげる「打ち水」をしたり、窓にすだれをかけたり、屏風を簾戸(すど:竹やよしで作った夏用の障子)にかえて風通しをよくしたりするなど、夏ならではの習慣が代表的です。また、風鈴で、耳から涼をとるというのも趣があります。

  近年では、住宅の断熱構造や冷暖房設備が充実してきたことや、気候の変化もあり、こうした「季節限定」の生活様式が時代にそぐわなくなってきたのかもしれません。しかし、先人から受け継がれてきた生活の工夫を改めて見つめ直せば、自分なりにうまく取り入れられることがあるかもしれません。つる植物を活かしたグリーンカーテンなどは、夏を快適に過ごすための新しくエコな工夫ですね。
  さまざまな工夫で夏の暑さをうまく乗り切っていただければと思います。

  最後に、高校で野球をやっていた私にとっては、夏はやっぱり「甲子園」です。各地で夏の全国高等学校野球選手権大会の予選が始まっていますが、万全の新型コロナウイルス感染症対策により、全日程を無事終えられることを祈りつつ、全ての選手に球児であった自分を重ね、全力を尽くしてほしいと願っております。
  熱い応援とともに全国大会が終わる頃には、秋の気配が感じられるかもしれません。

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