井戸敏三委員「感染拡大を阻止するために~府県市民の皆様へ改めてのお願い~」(令和3年5月13日)

関西広域連合 井戸敏三委員(兵庫県知事)からのメッセージ


「感染拡大を阻止するために~府県市民の皆様へ改めてのお願い~」


  皆さん、こんにちは。兵庫県知事の井戸敏三です。

(変異株の脅威)
  関西全域で新型コロナウイルスが急拡大し、各府県の医療提供体制は危機的状況に陥っています。なかでも、先月25日から緊急事態宣言が発令されている京都府、大阪府、兵庫県の2府1県は、病床使用率や重症病床使用率が国のステージ3.または4.を超えており、予断を許さない状況が続いています。当初、今月11日までとされていた緊急事態宣言も、5月末まで延長を余儀なくされました。
  これら緊急事態宣言の対象地域では、不要不急の外出自粛、酒類の提供やカラオケ設備の利用の禁止、飲食店・大規模集客施設の休業・時間短縮などをお願いしています。府県民、事業者の皆様の多大なるご協力のおかげで、最近になって、ようやく新規感染者数がピークを越えつつあるのではないかという気配が出てきています。このまま減少傾向に転じていくのか、慎重に見極めていかなければなりません。

  なぜ関西でこれほどまでにコロナが猛威をふるっているのか。その原因はさまざまに推測されていますが、その一つと考えられるのが、感染力が極めて強い“変異株”の影響です。これまでは家族の一人が感染しても、それが家族全員に広がるとは限りませんでした。しかし変異株は、誰か一人が家庭内にウイルスを持ち込めば、年齢の若い家族も含めて、しかもそれが乳幼児であっても、全員がたちまち感染するというケースが後を絶ちません。
  そのうえ、変異株は重症化しやすく、その速度も早いという特徴を有しています。兵庫県では入院調整中の方が1,500人を超え、重症病床使用率は約80%に達しています。まさに医療崩壊が目前に迫っていると言わざるを得ません。

  この深刻な事態を一致団結して乗り越えるため、滋賀県が大阪府に対して、また鳥取県が兵庫県に対して病床支援を行うなど、広域連合の構成府県間では、それぞれに余力がないなかで精一杯の協力を進めています。また、厚生労働省を通じて、その他の都道府県からも大阪府と兵庫県に対して、看護師、保健師の応援派遣が行われています。
  この場をお借りして、看護師等の派遣、陽性患者の広域的な受け入れに対し、感謝を申しあげます。特に鳥取県におかれては、厳しい状況のなか、本県からの患者受け入れにご協力をいただき、県民を代表してお礼申しあげます。

  しかし、こうした広域連携の仕組みを駆使しても、マンパワーには自ずと限界があります。医療提供体制をこれ以上逼迫させないためにも、いまが危機的状況にあるということを一人ひとりが十分認識し、自覚と責任をもった行動を心がけ、新規感染者の数を減少させていくことが極めて重要です。


(コロナ慣れを防ぐ)
  そうしたなか、今年のゴールデンウィークの人出は、緊急事態宣言の発出前からは減少したものの、初めて緊急事態宣言が発出された一年前と比べると、各地で軒並み増加する結果となりました。コロナが長期化し、「コロナ慣れ」ともいうべき状況が生じているのではないか。そのことを強く危惧しています。
  これまでも大丈夫だったから、今回もきっと大丈夫。そんな、わずかな油断や心の隙が、変異株の感染力の強さと相まって、爆発的な感染拡大へつながるのではないでしょうか。

  一方、収束への打開策として期待されているのがワクチンです。先日から、各市町村でようやく高齢者への接種が始まりましたが、希望する府県民すべてにワクチンが行き渡るには、まだ時間がかかる見込みです。それまで気を緩めずに、感染防止対策をしっかりと継続していくことが求められます。ご自身が感染しないことはもとより、知らず知らずの間に、自らが感染拡大の原因者とならないよう、自覚と責任のある行動をお願いします。

<府県民の皆様へ>

  • 特に、緊急事態宣言が発令されている地域では、生活維持に必要な場合をのぞき、みだりに外出しないでください
  • 府県境を越えた感染が拡大している地域との往来は自粛してください
  • マスクの着用、手洗い、人と人との距離の確保など基本となる対策を徹底してください
  • 「ウイルスを家庭に持ち込まない」、「家庭内で広げない」、「家庭外に広げない」行動をしてください
  • 緊急事態宣言が発令されている地域では、酒類の提供が禁止されていることを踏まえ、店先、路上、公園などでの飲酒は絶対にやめてください
  • テレワークやテレビ会議などを積極的に活用してください

 

<事業者の皆様へ>

  • 緊急事態宣言が発令されている地域では、酒類の提供、カラオケ設備の利用を禁止してください(利用者による酒類の持ち込みも禁止。)なお、酒類、カラオケ設備を提供しない飲食店等については、営業時間の短縮をお願いします
  • 緊急事態宣言が発令されている地域では、人流を抑制するため、大規模集客施設やイベント等の取り扱いについて、各府県が定める対処方針の内容に協力してください
  • 各職場や施設等において、従業員の体調管理、換気・消毒液の設置など感染防止対策の徹底をお願いします
  • 従業員等に対し、テレワークやテレビ会議などを一層推進してください

 

  新型コロナウイルスの一日も早い収束に向けて、関西広域連合では、これからも危機感の共有を図りながら、感染拡大防止や医療提供体制における連携をより一層深め、関西一丸となって立ち向かってまいります。
  皆様とともにコロナに打ち勝つため、そして皆様の大切な人を守るため、感染拡大防止の取り組みに引き続きご理解とご協力をお願いします。

 

この記事に関するお問い合わせ先

関西広域連合本部事務局企画課

〒530-0005
大阪市北区中之島5 丁目3 番51号
大阪府立国際会議場11階
電話番号:06-4803-5587 ファックス:06-6445-8540

本部事務局企画課へのお問い合わせはこちら