西脇隆俊副広域連合長「雲外蒼天」(令和3年2月5日)

関西広域連合 西脇隆俊副広域連合長(京都府知事)からのメッセージ

  「雲外蒼天」(うんがいそうてん。どんな試練でも、努力して乗り越えれば快い青空が望めるという意味)座右の銘ですが、コロナ禍で改めてその意味をかみしめています。

  仁坂広域連合長の指名を受け、副広域連合長を拝命しました、京都府知事の西脇隆俊です。仁坂広域連合長をしっかり補佐し、関西広域連合の円滑な運営に向けて引き続き努力してまいります。

  さて、私は関西広域連合で観光・文化を担当しております。関西広域連合の設立当時、私は国土交通省で、地方分権を含めた行政改革の省の取りまとめを担当しておりました。様々な課題がございましたが、観光分野について言えば、関西広域連合に持ち寄る仕事と府県に残る仕事をどう仕分けるのか、「なかなか難しい」という感想を持っていました。

  しかしながら、京都府知事として関西広域連合の観光担当となってみると、従前持っていた「なかなか難しい」という感想は全く違うものになりました。そのきっかけは、インバウンドの増加です。海外から関西に来られる方は、高い旅費をかけて日本に来られる訳ですから、限られた日程の中でなるべく多くの所を回りたいと思われるのは当然です。関西には6つの世界文化遺産をはじめ、豊かな自然、多くの歴史・文化資源、お祭りなど魅力的な観光資源にあふれています。

  外国人観光客にとっては、府県境は全く関係がなく、広域で周遊するニーズは高いはずです。もともと府県毎の観光関係者は競争相手で観光客を取り合っていたかもしれません。もちろん、お互いに自分たちの魅力向上のために競い合うのはいいことですが、広域で誘客しようとすれば、どうしても連携が必要になります。そこで、その連携のプラットフォームとして、関西広域連合は大きな役割を果たすことが期待されています。関西広域連合の仕事と各府県の仕事との仕分けについて深く掘り下げても実益が少ないという気がします。広域観光の振興は関西広域連合をプラットフォームとして構成府県市が連携して取り組むとともに、各構成府県市はそれぞれの観光資源を磨き上げ、切磋琢磨することで相乗効果を生むことが重要であると考えます。

  今は、新型コロナウイルスによって外国人観光客の訪問はありませんが、ある意向調査では、コロナ収束後に行きたい国として、アジア居住者では「日本」が1位となるなど、コロナ収束後にはインバウンドの需要が必ず戻ってくるでしょう。世界中の観光地をライバルと考え、その時に備えて、国内外に向けた情報発信などを準備しておく必要があります。

  また、コロナ禍は、国内観光についても新しい示唆を与えています。「マイクロツーリズム」や「身近な観光」と呼ばれるものです。人の移動が制限される中で、改めて地元や近隣府県の魅力を再認識させられました。私は鴨川の河川敷をジョギングしていますが、京都市内の方が鴨川に近いホテルに泊まり、朝食後に河川敷を散歩したら、極めて快適だったと言っておられました。我々は地元の魅力をほとんど理解していないと言っても過言ではありません。そして、国内観光についても構成府県市が連携して、例えば、関西が誇る歴史や文化などをテーマに、広域の周遊ルートを形成していくことが必要だと思います。

  今日は初回ですので、この程度で筆を置きます。今後も情報発信によって少しでも関西広域連合の知名度が向上するよう努力いたしますので、ご支援をよろしくお願い申し上げます。

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