平井伸治委員「支え愛」の防災を ~「ぼうさいこくたい2026in鳥取」開催~(令和8年10月1日)
関西広域連合 平井伸治委員(鳥取県知事)からのメッセージ
輝かしい新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。
令和8年熊本地震、秋雨前線がもたらした千葉豪雨や北陸の豪雨など、相次ぐ災害で尊い命を亡くされた御霊と被災された方々に対し、衷心よりご冥福をお祈りするとともに、心よりお見舞いを申し上げます。
この度の熊本地震でもそうですが、東日本大震災に際し関西広域連合で導入した「対口支援」が、今では重要な被災地支援の手法として確立されてきました。今回の熊本地震においては、私自身中国地方のとりまとめ役として発災直後から木村敬熊本県知事をはじめ被災自治体や国・全国知事会等と連絡を密にし、鳥取県としても、熊本県庁で広域的な支援調整に加わるとともに、関係各県と氷川町への対口支援などにあたってきました。災害列島の現実を考えれば、地方自治体相互の支援ネットワークを働かせ、被災地の皆様が1日でも早く元の生活を取り戻すことができるよう、国・地方・企業・ボランティア等が機動的に連携して現場で必要とされる支援を展開していくことが求められています。
いつ襲って来るかもしれない災害に備え、自助・共助・公助による実践的な防災活動を進めていくため、我が国最大の防災イベント「ぼうさいこくたい2026 in 鳥取」が、愛子内親王殿下のご臨席を仰ぎ、10月17日・18日の2日間、「共に考え・備え・守る ~『支え愛』で守る命と暮らし~」をテーマに、鳥取県倉吉市で開催されます。10年前の10月21日に鳥取県中部地震で甚大な被害を受けた地で、全国から過去最多の出展を集めて挙行される今大会は、政府の防災庁が11月に設立されるのを間近に控え、関係者が結集し防災対策の在り方を議論し組織化を図っていく重要な機会となります。
鳥取県は人口最少の県ですが、それ故に今でもしっかり残っている地域の絆を生かした「支え愛」の防災を展開してきました。
鳥取県中部地震では、強い加速度の揺れで住家被害が多発したものの、振動周期が短く一部損壊割合が高かった被害の実情に即し、県と市町村とが共同で、全半壊家屋のみならず全ての一部損壊に対しても被害の度合いに応じて支援する制度を全国に先駆けて導入しました。併せて、被災者の声を受けて商店街の店舗のような小規模事業所にも住宅に準じた補助制度を創設し、地震が原因となった閉店というケースは幸い回避できました。
こうした補助が奏功し住宅復旧は比較的早く進んだものの、どうしてもブルーシートが外れない家も一定数残る事態に直面し、2005年8月にアメリカ南東部を襲ったハリケーン・カトリーナの復興で投入された「災害ケースマネジメント」の手法により、困難を抱える被災者支援を開始することとしました。経済的困難、被災建物の状況、福祉的支援の必要など、それぞれの被災者が抱える問題を解決に導くため、ケースに応じて福祉・金融・建築はじめ専門家が連携してアプローチすることで、残ったブルーシートは一つずつ解消し元の街並みに戻っていきました。その後平成30年4月に防災基本条例を改正し、全国で初めて災害ケースマネジメントの条例化も行いました。
このほかにも、鳥取県では平成24年度から、災害時に声かけ・支援を必要とする人、その声かけ・支援を行う人、避難先や危険個所などの情報を記載した「支え愛マップ」を集落で作成する活動をスタートさせ、後の災害対策基本法の個別避難計画の機能を先取りすることにも繋がりました。学校等の指定避難所以外に、集落等で公民館等に設置する「支え愛避難所」も鳥取県中部地震で効果を発揮しました。
併せて、「鳥取方式感染症対策避難所」を10月から暫定運用します。手洗い、マスク、高リスク避難者の健康把握、感染症の早期診断・早期治療を行う基本的な感染症対策を実施するとともに、避難所設営にあたっては、換気徹底とプライバシーテントで飛沫感染防止を図り、更にエアドッグジャパンの協力を得て市町村に配置した計997台の空気清浄機を発災時は被災地域に投入し、ウイルス等の除去も施そうとするものです。
こうした鳥取県の「支え愛」型防災について「ぼうさいこくたい」で展示・発表いたします。活発な意見交換や交流を通じて、災害列島日本の強靭化に資する場になればと考えています。
今大会では、将来を担う高校生・大学生・若者を大会運営の中核に迎え、「高校生活動推進委員会」による防災活動の展示やワークショップ、大学防災サークル等による避難所シミュレーションゲームなど、若い感性と行動で一緒に防災を考え挑戦してもらう機会としています。
併せて、会場内では「防災のテーマパーク」を設け、煙脱出や放水などの体験エリアのほか、防災産業展示エリア、地元の美味を味わう食パラダイスエリアなど、子どもから大人まで楽しみながら防災について学べる2日間となります。
「秋である時計を竹にかけつつゐて」
北原白秋は関東大震災で小田原の自宅が被災し、家族と隣の寺の一家とで裏の竹林に避難して、「簡素な竹林の生活」を営んだと記しています。
「誰やらが、竹のひとつに壊れた六角時計を掛けた。青銅の仏の面を掛けてくれた人もあつた。その竹林からはよく海が透いて見えた。」
震災に遭いながらも「支え愛」で生きていく姿を、文豪は後世に遺している
「ぼうさいこくたい」で安心の未来へ。ぜひとも、秋深まりゆく鳥取県へお越しください。
- この記事に関するお問い合わせ先
-
関西広域連合本部事務局企画広報課
〒530-0005
大阪市北区中之島5丁目3番51号
大阪府立国際会議場11階
電話番号:06-4803-5587 ファックス:06-6445-8540本部事務局企画広報課へのお問い合わせはこちら





