吉村洋文副広域連合長「水素が拓く未来社会」(令和7年11月17日)

関西広域連合 吉村洋文副広域連合長(大阪府知事)からのメッセージ

   皆さん、こんにちは、大阪府知事の吉村洋文です。
   今回は、次世代のクリーンエネルギーである「水素」の取組みについて、紹介いたします。

   大阪・関西万博では、次世代エネルギーとして期待される水素、アンモニアやe-メタンなどに関する実証が数多く行われました。水素やアンモニアは、使用する際に二酸化炭素を出さないクリーンなエネルギーです。また、e-メタンは、大気などから回収した二酸化炭素を利用してつくられるため、燃焼しても二酸化炭素が実質増加しないエネルギーです。これらのクリーンなエネルギー技術は、万博で大いに注目を集めました。

   例えば、水素を「つくり」、パイプラインを通じて「はこび」、水素燃料電池で発電してライトアップ演出に「つかう」という水素サプライチェーンに関する取組みでは、実際に会場内で「つくる」から「つかう」までの実装が行われ、水素が日常で使えるエネルギーとなる可能性を示しました。また、生ごみから発生させたバイオガスや大気中から回収した二酸化炭素と、太陽光などの再生可能エネルギーから作られたグリーン水素とでe-メタンをつくる「メタネーション技術」の実証では、製造されたe-メタンが万博会場内で迎賓館の厨房の熱源等として使用されました。こうした取組みにより、今まで悪者扱いされていた二酸化炭素が、実はカーボンニュートラルなエネルギーを生み出せる資源として使えることを多くの人に知っていただけたと思います。他にも、災害時の電源や小型の乗り物などのエネルギーとして水素を使うために、特別な設備がなくても持ち運べる小さな水素ボンベも披露されました。

   会場外でも、水素やアンモニアをもとに電気をつくる実証が兵庫県内で行われました。この実証は、カーボンニュートラルな水素・アンモニアから環境に優しい電気を作り出すもので、実際に万博会場へ電気を送るなどして活用されました。ほかにも、大阪府や兵庫県の沿岸部では、エネルギー関連企業が、水素・アンモニア・e-メタンを安定して供給するための仕組みづくりに取り組まれています。

   関西広域連合では、こうした万博における取組みを継承し、2050年カーボンニュートラル社会の実現に向け、企業や研究機関、自治体、地域の皆さんと連携しながら、水素の本格導入のための準備を進めています。水素が拓く未来社会の実現に向け、関西一丸となってともに取り組んでいきましょう。

<関西広域連合ホームページ「エネルギー検討会」>
https://www.kouiki-kansai.jp/koikirengo/jisijimu/enagykento/index.html

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