久元喜造委員「高温常態化への対応 ~街なかの暑さ対策~」(令和7年9月29日)
関西広域連合 久元喜造委員(神戸市長)からのメッセージ
三日月広域連合長の指名を受け、7月より副広域連合長を拝命しました神戸市長の久元 喜造です。
国内外から非常に多くの方が来場している大阪・関西万博ですが、閉幕に向けて、より一層賑わいを見せています。個性的なパビリオン、様々な国や地域、企業が趣向を凝らしたイベントが日替わりで開催されるなど、何回訪れても新たな発見があることが人々を惹きつける魅力になっていると感じます。
万博を訪問する度に大屋根リングに上っていますが、茅渟(ちぬ)の海の先に拡がる関西の街と山並みは美しく、いつも壮大な気持ちになります。
関西広域連合の関西パビリオンも大変盛況で、すでに100万人以上の方に来場いただけたことは非常に感慨深いです。関西の暮らし、産業、観光、文化の魅力を国内外の多くの方に発信できているのではないかと大変嬉しく思っています。
この夏の平均気温は、気象庁が1898年(明治31年)に統計を取り始めてから最も高く「異常な高温」に見舞われました。万博会場でも暑さ対策として、氷のクールスポットの設置や、木陰が多くなるような樹木配置、大屋根リングの下には、いたるところにベンチが設置されるなど、様々な暑さ対策が行われています。また、関西広域連合の関西パビリオンでも、休憩所として納涼テントを設置しました。
まちづくりを担う我々にとっても、暑さへの対策が喫緊の課題となっています。神戸市が取り組んでいる暑さ対策について、いくつかご紹介させていただきます。
まずは、「こうべ木陰プロジェクト」です。木陰には、地表面の温度上昇を抑制し、体感温度を下げ、蒸発散により周辺の気温上昇を緩和する効果があると言われています。企業等の協賛を得ながら、都心部において、樹木の植栽により新たな木陰を創出するとともに、既存樹木の土壌改良による木陰の拡大に取り組んでいます。
また、竹チップを活用した路面舗装を導入しています。従来のアスファルト舗装と比較して、路面温度が約10度低くなることが確認されており、夏季の熱環境の改善に寄与しています。使用される竹は、神戸市内の山林から発生する放置竹林などを活用しており、地域資源の循環にも貢献しています。
さらに、冷房のきいた店舗を一時的な休息所として活用する「KOBEクールオアシス」も実施しています。薬局や郵便局など市内674箇所の事業者にご協力いただき、涼しい空間を提供しています。
その他、ご家庭や店舗でも手軽に始められる対策として、打ち水の実施も呼びかけています。
異常なまでの高温状態は来年以降も続くという前提に立ち、市民や来街者が街なかを安心して出歩くことができるよう、インフラ整備の段階から少しでも暑さを和らげる工夫ができないか、心地よい都市空間をつくる取り組みを進めていきたいと考えています。
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