関西の食文化 - 日本酒文化

日本酒文化

日本酒づくりのルーツは関西にある

日本酒をお酌している写真

 「水」と「米」で作られる日本独特の酒「日本酒」。中でも関西は、日本最大の日本酒の産地です。 関西の日本酒は、清らかな水と米を原料とし、日本の四季や匠の技が醸し出す「美しい酒」です。

 三世紀に初めて「酒」という文字が文献に現れる日本酒。
以来、日本酒は高貴な人々の飲み物に発展し、八世紀ごろからは、寺院で盛んに酒造りが行われ、「僧坊酒」として珍重されました。そして、寺院の高い醸造技術によって、「すみさけ」と呼ばれる、現在のような透き通った清酒が完成しました。
 関西の寺院がこれを作り上げた記録があることから、関西は「清酒発祥の地」と言われています。

日本酒の味を決める原料「水」、「米」

輝く水の写真

 日本酒に使われる主な水は、豊富なミネラルを含む「伏流水」と呼ばれる地下水。関西には、日本を代表する伏流水があります。
一つは「宮水」。兵庫県の西宮という地域で発見された水で、日本一の日本酒産地「灘五郷」の芳醇な酒の味を支えています。
 もう一つが灘と並ぶ酒所である京都府・伏見の「伏水」。宮水より硬度が低く、まろやかな酒ができると言われています。
 ほかにも、関西のいたるところから名水が湧き出ており、どこの水を使うかによって、日本酒の味わいが変わります。

日本酒の原料となるお米の写真

良質な酒米 「山田錦」

 良質な日本酒の原料となるお米は「酒米」と言われ、一般的に食用とされているお米とは異なります。
 「酒米」として最もよく知られているのが、兵庫県で誕生した「山田錦」。香り高くコクのある味わいの酒ができあがる、酒米の王様とも言われる米です。
 米によって、日本酒の味は千変万化します。同じ原料からできたものとは思えないほどの味のバリエーションがあるのが、日本酒の面白さです。

日本酒の仕込みの様子の写真

日本酒の仕込み

日本酒で乾杯

 清酒(日本酒)で乾杯することは、古くからある日本の伝統的な習慣です。この習慣を広めることを通じて、伝統産業の素晴らしさを見つめ直し、日本文化の理解の促進に寄与することを目的に、平成25年1月に、京都市が全国で初めて「清酒の普及の促進に関する条例」を制定しました。その後、同様の動きが全国に広まり、神戸市、西宮市など全国で約70もの自治体において同趣旨の条例が制定されるに至りました(平成26年11月現在)。
 このように、酒所である灘、伏見をはじめ、乾杯の際に日本酒を手にするという光景が広がりつつあります。

地域酒の復活物語

 各地域には、酒米品種としての評価はあったものの、戦争の影響や、穂丈が高く倒れやすい性質が機械化に適さないなどのために栽培が途絶えた酒米が多くありました。
 関西には、全体の生産量はまだ少ないものの、復刻米を使った酒造りに取り組んでいるところがあり、そのいくつかを紹介します。

京都府「祝(いわい)」の写真

京都府「祝(いわい)」

 淡麗な味と独特な芳香を特徴とする京都独自の酒造好適米「祝」は、昭和8年(1933年)に京都府立農事試験場丹後分場(現京都府丹後農業研究所)で誕生しました。
 グルメ志向が高まる中で「京都の米で京都独自の酒を造りたい」という気運が高まり、醸造家たちが酒米「祝」に注目し、行政・酒造メーカー・生産者とともに復活に取り組み、平成4年から再び栽培が開始され、「祝」を使った酒造りに取り組んでいます。

鳥取県「強力(ごうりき)」の写真

鳥取県「強力(ごうりき)」

 大正時代に鳥取県を原産として生まれた酒米品種「強力」。 
蔵元たちを中心とした本当に美味しい地酒を造りたいとする動きが起こり、鳥取県を発祥とする酒米による地酒づくりを目指した「強力」の栽培が復活することとなりました。
 当時、鳥取大学農学部に研究用に残されていたわずかの種籾をもとに、数名の篤農家たちによって昔ながらの有機農法で栽培された幻の酒米「強力」が復活し、平成2年、鳥取にしかない米と水で造られた地酒が蘇りました。

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