ライズテック株式会社

培った開発力とネットワークで

永く愛される製品づくりを。

ものづくり企業の夢であるオリジナル製品の開発。

自動噴出装置リキッドジェット「01」

設置場所を選ばない便利な乾電池式。シンプルなシルエット。好みに合わせて選べる6色で展開。

終わりの見えないウィズコロナの時代。ものづくり企業がさまざまな模索を続けるなかで、脚光を浴びた製品がある。ライズテック株式会社の非接触型自動噴出装置「Liquid Jet(リキッドジェット)」だ。手をかざすと適量の除菌液が上向きに噴出する装置で、非接触で周囲を汚すことなく使えるのが特長。コロナ禍で感染予防意識が高まるなか、医療機関や学校などで導入が進んでいる。代表の庄司進さんは大手メーカーでレーザープリンタなどの開発に携わってきた。その後も光学やメカトロニクスに精通した強みを生かしてプリンタ部品などを受託開発し、15年前に起業。リキッドジェットは同社がはじめて手がけた自社製品となる。「開発畑一筋で生きてきたので、ゼロから企画を立ち上げることはまったく苦にならない。数々の製品をつくりあげていくなかで、幅広いネットワークもできましたし」。そうして全国各地を飛び回る受託開発だけでなく、そろそろ腰を落ち着けてオリジナル製品の開発でもと考えていた4年ほど前、株式会社渡辺製作所から共同開発の打診があった。それは上向きに水を噴出させる装置で、スーパーでビニール袋の口を開けるときに、衛生的に指先を濡らすためのものだった。

販路開拓、広報活動にも挑戦。感染予防意識が高まるなかヒット商品へ。

上部に手の平をかざすだけでセンサーが素早

く検知。液だれしない適量の消毒液を上向き

に噴出するすぐれものだ

開発中に使用シーンを広げるため、手を濡らすだけでなく「除菌」用途の提案もした。中の液体を消毒薬にすれば、介護施設や病院など販路の可能性も広がるからだ。下から上へと水をはね上げる特殊な噴出機構をつくりあげ、国内外の特許も申請した。

2019年3月末に本格的に出荷開始。販路開拓に向けても策を練った。知名度の低い同社が信頼を得るため、まず兵庫県活性化センターのチャレンジマーケットに応募して、県のチャレンジ企業の認定を得る。さらに経営革新計画にも応募して採択されて、地道な方法で少しずつ代理店を獲得していった。

【Liquid Jet リキッドジェット 】自動アルコール噴霧器|商品紹介動画(音なし)

左リキッドジェット(02)、右リキッドジェット(01)

そこに追い風が吹いた。今年に入り新型コロナウイルスの感染拡大によって、代理店からの引き合いが急増。昨年だけで約3000台を販売する。これにより庄司さんの開発魂に火がついた。現行の事業所向けモデルを「01」と位置づけ、大きさを半分程度にして機構も簡便化することで価格を抑えた家庭用「02」の開発に踏み切ったのだ。

「02は家庭用向けなので選ぶのは女性。01を小型化しただけでは受けない。そこでデザインから見直しました。開発は終え、あとは微調整して金型の手配などをクリアすれば、今年3月末か4月には発売できる予定です」

リキッドジェット02

優しいデザインの「02」。特徴はスピードの早さ。コンパクトになったぶん内部装置には新しい技術を導入し、特許出願中。さらに、商標出願中(Cplus3)乾電池とUSB給電。エタノール除菌液(消毒液代替品)も独自にカートリッジ化したので交換も簡単。より身近な感染予防装置として、家庭や職場などで多くの方に利用してもらいやすいよう、細部まで工夫を凝らした感染予防の装置が「リキッドジェット02」である。

安全面にも徹底的にこだわり永く愛されるロングセラーに。

代表の庄司進さん

ものづくりにながらく携わってきたから、機能性はもちろん安全性も徹底している。「アルコールを使う以上は手が濡れないといけない。よくある超音波式では手が濡れないうえ気化が早いので、アルコールを使う意味がなく、また微粒となって空気中に拡散し体内に取り込まれてしまう。それが健康問題を起こしてしまうんです」。だから噴出機構にこだわり、イチからつくる。そのための開発力や技術力には自信がある。「レーザープリンタって大手企業しかつくれないと思うでしょ。でもライズテックならつくれるんですよ」。さらにネットワークの協力あってこそ、ものづくりができていると語る。「うちの製品に関わったすべての人が幸せになって欲しい。そのための努力は怠らない」。コロナ禍で私たちの衛生面に関する意識は、大きく変わった。それはアフターコロナ時代にも引き継がれ、リキッドジェットは生活の一部となるだろう。「爆発的に広がらなくてもいい。じわじわと浸透して長く使われれば」。シンプルで単機能だからこそ暮らしになじむ。子どもの頃から家にあり、大人になった自分も購入したくなる。自社製品がそんなロングセラーに育つことを、庄司さんは夢見ている。

使用シーン

ホテルフロント

保育園

ホテルや大学から保育園(幼稚園)までの教育機関、介護施設、県庁、兵庫県警本部まで幅広く採用されている。

メイド・イン・ジャパンのこだわり

製造はこれまでのものづくりで培った、信頼

の置ける国内の協力会社にアウトソーシング

現在、市場には海外製の安価な超音波式除菌装置が出回っている。「超音波をもてはやすのは市場が悪い。呼気という身体に与える危険性を理解していないからです。

また日に何度もアルコール除菌をすると、肌荒れの原因にもなります。私たちの製品では液体内に肌に潤いを与える成分を入れています」。肌に触れるものは、そこまで考えてつくらないといけないと庄司さんは断言する。このきめ細やかさも、ものづくり日本の精神。

SDG'sへの取り組み

社会課題の解決という点からみてもリキッドジェットは、現在、全世界が直面しているコロ

ナ禍の課題に対応する商品だ。それ以外にもSDG'sについて考えていることがある。「もの

づくりというものは製作過程で捨てるものが多い。いかにそれを減らすか、あるいは廃材

を活用した製品をつくるとか。そういうことをユーザーにも理解してもらい、ペイできる

しくみからつくっていかないといけない」

 

研究員からの一言

約15年の歳月をかけ、多数の特許登録と受託開発を重ね、盤石な開発基盤を確立して自社製品の開発に至った例である。長引く新型コロナウイルス感染症の拡大は、自分や周囲の人の安全安心を推量することを習慣化させ、生活・仕事・物事の価値観をも変えようとしている。接触型の消毒液噴出器に、感染リスクの可能性や噴出時の手間を感じていた人も多いと思われるが、「Liquid Jet 01=リキッドジェット」は、人々の不安を取り除き、手間を省くことに寄与すると考えられる。開発型企業の同社は、販売面で行政とつながることによって、自社の開発力と市場のニーズをうまく結び付けている。今後、業務用から家庭用、個人用へと製品と市場の開発を進めることと並行して、独自の販路開拓とOEM供給を通じて、新たな生活様式を創造することが期待されるが、当初計画されていた「ビニール袋の口を開ける際に衛生的に指を湿らせる装置」の機能を併せ持つ製品も期待したいところである。

(大阪産業経済リサーチ&デザインセンター 主任研究員・天野敏昭)

 

企業概要

ライズテック株式会社

代表者名      庄司進

住      所     神戸市長田区苅藻通り7-4-27 別棟2F

設立年月      2005年

従業員数      2名   

受賞歴等      第15回「ひょうご新商品調達認定制度」認定商品    

URL    https://risezero.co.jp/

 

この記事に関するお問い合わせ先

関西広域連合広域産業振興局

〒559-8555
大阪市住之江区南港北1丁目14番16号
大阪府商工労働部商工労働総務課内
電話番号:06-6614-0950 ファックス:06-6614-0951

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