父の特許技術を活かして作った刃の良さを広く知ってもらいたくて父の特許技術を活かして作った刃の良さを広く知ってもらいたくて

超長寿命カッターナイフ「采(あや)」 Quiléle(大阪市)

超硬合金のパワーで切れ味40倍長持ち
これまでの常識を塗り替えるカッター

おろしたては切れ味鋭いカッターナイフも、作業量が増えるにつれ刃が鈍ってきます。そんな時、刃を折って使うタイプもありますが、「刃を折るのが怖い」「折った刃を捨てるのに困る」など気後れしてしまう人も意外に多いもの。そんな声なき声をすくい上げて誕生した新製品が、超長寿命カッター「采(あや)」。生みの親は、長年工業用刃物の開発に関わり、刃の先端零コンマ数ミリに超硬合金を接合する特殊技術を開発した水野雅さん。そしてQuiléle(キレル)のブランドマネジャーとして父・雅さんの技術を発信するのが、ひとり娘のゆかさんです。

かつてはステンレスに超硬合金を接合するには、ろうづけするしか方法がなく、接合強度はいまひとつでした。しかし水野さんは大学と連携して研究を繰り返し、鋼に超硬合金の微粒子を吹き付け、高温高圧で攪拌しながら圧着させることに成功。これにより超硬合金がナノ化され、刃との一体感は大幅にアップ。刃こぼれや摩耗、折れ、歪みが生じにくい刃ができました。

最初は包丁メーカー向けのOEM製品にその技術を活かしていましたが、平成27年に自分たちのブランドを作ろうと決心。包丁よりも小さく作りやすいカッターに照準を定めました。カッターを使う作業が多い知り合いの会社に試作品を渡して使ってもらったところ、これまでのカッターは1週間で切れが悪くなっていたのに比べ、水野さんのカッターは1年経っても切れ味が鋭いままなことが判明。日数にすると約40~50倍です。

「刃に自信があったからこそ、愛着を持って使ってもらえるもの、贈り物にもふさわしいものにしたくて、柄にもこだわりました」と話すゆかさん、ありきたりなプラスチックの柄ではなく味のある天然木を選び、大阪の伝統工芸・大阪唐木指物もラインナップに加えました。「これまでの常識を覆す刃物を」。父から娘に受け継がれる、そんな情熱がブランドの原動力です。

Quiléle(キレル)

〒550-0013
大阪府大阪市西区新町2丁目3番17号 DOビル新町Ⅱ 401号 株式会社 AMC 内
Tel.06-6567-8843
https://www.quilele-shop.com

超硬合金を接合した鋼をワイヤーでカット。

超硬合金を接合した鋼を
ワイヤーでカット。

「摩擦攪拌」という技法で、刃先部分に超硬合金を接合した素材を、カッター刃のサイズに切り分けているところ。大学との共同研究で開発したこの接合技術で、水野さんは2014年に特許取得。超硬合金がナノ組織化することで土台の鋼と一体化するため、研いでも加工が損なわれることがありません。

ひとつひとつ手で磨き上げ安定の切れ味を提供。

ひとつひとつ手で磨き上げ
安定の切れ味を提供。

雅さんが磨いているのは、「采(あや)」に次ぐ第2弾商品である極細デザインカッター「薙(なぎ)」。どちらの商品も顕微鏡をのぞきながら、ルーターという器具を用いてひとつひとつ磨き上げる手作業が、切れ味の秘密。手間ひまがかかるため、1日に作れる量にも限りがあります。

味わい深い天然木の柄も職人による手作り。

味わい深い天然木の柄も
職人による手作り。

ひと味違う上質な佇まいを求めて行きついたのが天然木の柄。ひとつひとつ職人の手作りで、木種によっては数に限りがあります。使い込んでいくほどに色艶を増し、自分自身や大切な誰かへの贈り物にもぴったり。プレミアムバージョンとして唐木指物の柄を使ったものもあります。

超長寿命カッターナイフ「采(あや)」 - Quiléle(大阪市)

軽いタッチで切れて疲れ知らず。
好みの木色を選んだ自分だけの1本は、
常にそばに置いておきたい愛用品に。

刃先を折らなくても、快適な切れ味がずっと長続き。桜や花梨、ウォルナットなど天然木の柄と刃がセットになった「采(あや)」は、木種ごとに限定数での生産となります。替え刃の購入もできるのがヘビーユーザーにはうれしいところ。写真は一般ユーザー向けの刃先60°タイプものですが、細かい細工をする人向けに、より鋭角な刃先をもった30°タイプもあります。

PRODUCTS - 2019

PRODUCTS - 2018

PRODUCTS - 2017

PRODUCTS - 2014

PRODUCTS - 2013