掃除や染み抜きといった作業を
楽しい時間に変えてしまうプロダクト

持っているだけでちょっぴり心が躍ったり、「こんなの見つけたよ」と誰かに話したくなる魅力。創業90年を超える老舗・木村石鹸が放つ自社ブランド製品「＆SOAP」や「re:koro」には、そんな特別なサムシングが宿っています。差別化しづらい家庭用洗剤のジャンルで独自の道を切り拓く同社の牽引役は、平成28年秋に四代目社長に就任した木村祥一郎さん。家業に入ったのは数年前です。大学卒業以来、長らくITベンチャーでウェブマーケティングに関わり、大手企業のブランディングを手がけてきた手腕を発揮。従来のOEMや業務用とは違うチャンネルを確立すべく、これまでに3つの自社ブランドを創出しました。

「シミ抜きキットre:koroは、そもそも自分が欲しくて作ったもの。煩わしいものだった“シミを抜く”行為が楽しくなり、家に置いてても絵になるようなものがあればと思ったんです」。そこでボックスの材質や瓶の形状を選び抜き、ミニブラシもセットして「道具好き・雑貨好き」の心をくすぐる作りにしました。そして著名ビジネスデザイナーとコラボし、コンセプトワークに力点を置いたのが新ブランド「＆SOAP」。シリーズ第1弾「STEP BY STEP」は洗濯や掃除の正しい手順を可視化し、男女の家事シェアをプロダクト側から応援するのが狙いです。

「うちのようなメーカーは機能ばかりを追求して、どんどんニッチな袋小路に入ってしまいがちですが、そうではなく違う視点からもっと大きな絵を描こうと。遊び感覚で家事が楽しめたり、進んで家事をやりたくなるにはどうしたらいいんだろう、というところから考えました」。

ものづくりの伝統はそのままに新たな進化を遂げる木村石鹸。これからも私たちをワクワクさせてくれそうです。