伝統を受け継ぎつつ常に革新を繰り返して尖った存在でいたい伝統を受け継ぎつつ常に革新を繰り返して尖った存在でいたい

絞り染めアクセサリー 片山文三郎商店(京都市)

創業100年の老舗が放つ
「ウェアラブルアート」の遊び心

京都の烏丸駅にほど近い蛸薬師通に、古風さと前衛性が混じり合い異彩を放つ町家があります。絞り染めを商う店として創業以来100年を超える歴史を持つ「片山文三郎商店」。

のれんをくぐり店内に足を踏み入れると、そこには斬新な造形美にあふれた絞り染め製品がいっぱいで、まるで現代美術のインスタレーションを見ているようです。和装という古き伝統の世界にとどまることなく、絞り染めの技法を現代モードに取り入れる提案を始めて約30年。

「ウェアラブルアート、つまり“纏(まと)う芸術”をコンセプトにしているんですが、私自身現代アートが好きで、よく美術館にも足を運ぶんです」。そう語るのは、三代目社長の片山一雄さん。物心つく頃から祖父が扱う色見本帖や色とりどりの反物に触れ、色彩感覚を磨きました。服飾の専門教育を受けたことはないという片山さんにとって、10代の頃から京都の町そのものがまさにお洒落を学ぶ学校。大学卒業後はテキスタイルを扱う仕事を経験し、洋服地の知識も深めました。そして家業に戻ってからは、先代に新商品開発を任され、その腕とセンスをフルに発揮していきます。その大胆な商品群はやがてニューヨークMoMAのミュージアムショップでも紹介されるなど、国境を越えてエッジな感性を持つ人々の目に留まり始めます。今では年に数回は海外の展示会に出展するほか、銀座にもショップをオープン。絞り染めの可能性をより広げていくため、面白い新素材情報にも目を光らせています。

「目標は、海外ハイブランドの店があるような場所にうちの商品が並んで、互角に見てもらえるようになること。常に革新を繰り返しながら、尖った存在でいたいですね」。

株式会社 片山文三郎商店

〒604-8151
京都府京都市中京区蛸薬師通烏丸西入ル橋弁慶町221
Tel.075-221-2666
http://bunzaburo.com

絞りをほどこした白生地は不思議な海の生き物のよう。

絞りをほどこした白生地は
不思議な海の生き物のよう。

絞り染めの世界は、細かく分業がされているのが特徴。柄になる部分を綿糸で巻き上げてくくる手作業は、現在では主に中国にて行われ、この状態で京都の染工房に運び込まれます。これは同店の定番となっている唄絞り(ばいしぼり)。染める前の形が、唄貝に似ていることからそう呼ばれます。

この道60年の伝統工芸士も染めの技を提供。

この道60年の伝統工芸士も
染めの技を提供。

片山文三郎商店では商品の特性に合わせて、複数の染工房に依頼しています。このシルクスカーフを染めるのは、この道60年の経験を持つ伝統工芸士・木村隆男さん。美術展や工芸展でも受賞歴多数の重鎮です。色見本を元に染料の調合をはじき出し、ぴたりと合う色に染め上げます。

絞りをほどかれると現れる美しい文様。

絞りをほどかれると
現れる美しい文様。

染め上がった生地は洗いと脱水を経て、ほどく作業を専門に行う業者のもとへ。固く縫い絞られていた内部には染料が入り込まないため、ほどくと染まった部分と元の生地色のままの部分が、美しい文様を描きます。この絞りの立体感をあえてそのまま活かしたアイテムが同店の特徴。

絞り染めアクセサリー - 片山文三郎商店(京都市)

日本で成熟を遂げた
絞り染めの美しさを
世界に発信するモードなアイテム。

左端:植物のように有機的なスカーフ、中列上:首にぴったりフィットし、複雑な陰影を見せるチョーカー、中列下:手元にインパクトを与えるブレスレット、右列上:伸縮性のある生地の特性を生かし、手持ちのバッグに着せ替えできるバッグ、右列下:尖った凹凸にロックテイスト漂うチョーカー

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