世界が見たことないものを紀州漆器の歴史ある黒江のまちから発信したい世界が見たことないものを紀州漆器の歴史ある黒江のまちから発信したい

ガラス+漆 
PERLA(ぺルラ)
YOSHIHIKO FUJII(和歌山県)

黒江の伝統と、真珠の町神戸を愛する女性の感性が融合
日々の食卓に溶け込む、漆の洋食器

漆器にナイフ・フォークはキズがつくからご法度。そんな常識を覆すのが、世界で初めてガラスと漆を合体させた洋食器「ぺルラ」。古くから紀州漆器の里・黒江で漆器業を営んできた藤井家の四代目嘉彦さんが、平成27年に立ち上げたブランド「YOSHIHIKO FUJII」の人気アイテムです。

紀州漆器は、日本四大漆器のひとつとして400年以上の歴史を誇りますが、他の産地に先駆けてプラスチック素地を使った大量生産路線に進んだのが特徴。それらの漆器は一時、盛んに輸出もされており、20代の藤井さんも海外の展示会や百貨店へ商談に飛び回る日々を送っていました。

「そのうち職人の手が追いつかなくなり、父に手ほどきを受けて、自分でも塗りをやるようになったんです。でも90年代半ばの円高で海外輸出からは完全撤退。周囲でも漆器屋の廃業が相次ぎました」。

別注という新しい道を模索する為、いったん家具メーカーに勤めに出た藤井さん。そこで別注家具の世界を学んだ後、大型家具・建具の塗りにも対応できる設備を備えた「塗り工房ふじい」を平成13年に立ち上げます。塗りの技術力・デザイン力に加え、塗料やプライマーも独自で開発してしまう突破力。崖っぷちに立たされながらも「よそができないことをやる」という信念で、新たな領域を開拓してきました。ガラスと漆で何か作ってみたい、という思いも平成14年頃から抱き続けて試作に取り組んでいましたが、そこへ女性視点からのヒントをくれたのが神戸在住のデザイナー稲葉絵里さん。彼女のアイデアを形にして神戸でお披露目を行ったところ、反響は上々。今は海外進出も視野に入れ動き始めています。

「目指すゴールは、この器が火付け役となって黒江が再び世界から“漆のまち”として認知されること。そして仕事が生まれ、次世代に技術が継承されていってほしいですね」。

YOSHIHIKO FUJII

(塗り工房ふじい)

〒642-0032
和歌山県海南市名高532-4
Tel.073-483-0323
http://www.nuri-koubou.com

食器洗浄乾燥機でもびくともしない塗り。

食器洗浄乾燥機でも
びくともしない塗り。

ガラス器の裏側に自社開発の特殊プライマーを吹き付け、パール粉入りの漆を塗り重ねてから、さらにトップコートを塗って高温乾燥させるので、食洗機に入れても大丈夫。表面は塗装なしのガラスなので、パール漆のしっとりした艶と発色を守り、ナイフ・フォークを使っても傷つきません。

遠赤外線を使った大型乾燥室で量産を可能に。

遠赤外線を使った
大型乾燥室で量産を可能に。

遠赤外線ヒーターを用い、常に室内全体が一定温度に保たれるよう設計された大型乾燥室のおかげで、食器の量産から、グランドピアノ、家具、建具といった大型特注品の塗りまで対応。大胆な設備投資が功を奏し、今では大手企業や高級ブランドのメゾンからも依頼が相次いでいます。

ショールームにはガラス+漆の作品がほかにも。

ショールームには
ガラス+漆の作品がほかにも。

ガラスと漆を組み合わせた作品は「ペルラ」だけではありません。偏光パウダー入りの漆と金箔をあしらった「マジョ」のほか、古代から伝わる漆の伝統色を用いた「古代塗り」など豊富なアイテムがショールームに並んでいます。最近はカトラリーにも力を入れています。

ガラス+漆 PERLA(ぺルラ) - YOSHIHIKO FUJII(和歌山県)

美しいパステルカラーと艶を
天然パールと漆で表現した
洗練のモダンスタイル。

左下から「スクエアプレートL」、「スクエアプレートS」。右下から「アンダープレートL」、「アンダープレートM」、「アンダープレートS」。
天然パールからとれたパウダーと漆が混じり合い醸し出す、美しい艶が魅力。
ホワイトパールだけでなく、港町神戸から見える海の色をイメージしたブルーやピンク、ブラック、ゴールドなどのカラーバリエーションが揃います。

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