古色に透けるカシミヤ名匠たちは芸術を紡ぐ古色に透けるカシミヤ名匠たちは芸術を紡ぐ

ベンガラ染めカシミヤストール 細川毛織(大阪府)

細川毛織株式会社のカシミヤストールで目を引くのは、その淡くおぼろげな色合い。この独特な色味は、ベンガラ染めと言われる技法が生み出しています。ベンガラ染めとは、酸化鉄を原料にする天然の染色法です。少量の常温水で染まり、日光による退色がありません。土文化の根深い羽曳野(はびきの)市周辺では、約300年前から神事の奉納品や民家の塗装に使われていました。

ストールを染めるのは、羽曳野市のベンガラメーカー「古色の美」。すべての作業が手染めで行われています。「酸化鉄を粉砕し、粒形を整えることで色をクリエイトしていくのです。全23色、目に優しく日本古来の趣があります」。

細川毛織株式会社代表の細川博さんは、そんなベンガラ染めに惹かれた一人です。製品化にあたっては、民芸品ではなく日常使いできるアイテムとして工夫したそう。「染めは、山の稜線に陽が沈んでいく様子を表現しています。洋装にも和装にも合うグラデーションなので、使いやすいのではないでしょうか。海外のお客様にも日本の美意識を感じていただけるよう、色番は英語にしてあります」。

重さ50gと羽のように軽やかなこのストールは、カシミヤ山羊の原毛を使い、細くデリケートな糸で透けるほど薄く織られています。保温性・吸湿性などに富む製品は、四季を通じて幸せな気分にさせてくれる極上の一品です。

細川毛織株式会社

〒595-0026
大阪府泉大津市東雲町9-77
Tel.0725-22-0001
http://www.since1910.jp

土からできる天然染料日本に唯一の色を創作

土からできる天然染料
日本に唯一の色を創作

採取した焦げ茶色の土は、細かく擦り潰すほど光が散乱し、鮮やかな色合いに。国内唯一のベンガラメーカー『古色の美』には、染めの注文だけでなく顔料として使うため粒子を売ってほしいとの要望も入るそう。他では手に入らない、大地から生まれた色です。

微妙に溶け合う2色は伝統伎の板締め絞りで

微妙に溶け合う2色は
伝統技の板締め絞りで

『古色の美』企画担当の小渕裕さんは、日本では既に継承者がいないとされる“板締め絞り”という技法を使い、山並みの輪郭を表現しています。やわらかい風景を作り出すため、スポンジを使って境界線を滲ませるオリジナルの工夫が施されています。

ベンガラ染めカシミヤストール - 細川毛織(大阪府)

繊細なニュアンスを生む
極薄のストール
刹那の情感を写して

日没に差し掛かる頃の夕日に燃える空と山焼けを写した「sunset」(黄×ピンク)。日暮れ直後、紫に染まる稜線を描いた「twilight」(ピンク×紫)、月明りによって白く照らされた幻想的な風景「moonlight」(黄×グレー)。
ロゴマークは、毛織製造で100年以上の歴史を持つ細川家の家紋をベンガラ染料で捺染。無造作に巻いたときにも家紋の天地が保てるよう、斜めに配置されています。

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