クオリティは高く保ちつつ伝統は改革していくものクオリティは高く保ちつつ伝統は改革していくもの

紀州漆器 島安汎工芸製作所(和歌山県)

これからの世代にこそ
漆器の文化を伝えたい

和歌山の伝統的工芸品であり、越前、会津塗、山中塗に並ぶ日本四大漆器のひとつ「紀州漆器」は黒江塗り等とも呼ばれ、海南市の北西部黒江地区を中心に生産されています。「島安汎工芸製作所」の創業当時(大正5年)、初代も黒江の町で塗師屋として椀やお盆・下駄などの仕上げ塗をしていました。紀州漆器の歴史は十三世紀にまでさかのぼり、和歌山県にあった根来寺の僧侶たちが日用の什器を漆器で作っていた「根来塗(ねごろぬり)」が変わり塗の重要な一手法として少なからず影響を与え、その後、室町時代に紀州木地師によって渋地椀が作られたのが紀州漆器の始まりといわれています。江戸時代には紀州徳川家庇護の下、さらに上質なものが作られていきました。

古くから日本の民具であった漆器も、今は手洗いや扱いが面倒、高価ではと敬遠され、漆器という言葉すら知らない人もいる時代。いっそダイレクトに今の世代に漆器をどういうものかアピールしないと漆という文化自体なくなってしまうのでは、と現代のライフスタイルに合わせてふだん遣いできるもの、食器やお弁当箱、インテリアをシリーズにしました。伝統の根来塗、明るい白漆を基調にしたモダン漆器の「Neo Japanesque汎」、世界遺産「熊野」ヒノキのエコ漆器「Njeco汎」シリーズがそれです。

各時代ごとに先んじて改革を行ってきた社風はそのまま、「伝統を守っているだけでは、本当の意味で伝統を守ることにはならない」という四代目の島 平(しま たいら)社長。
紀州漆器と同じく、長い年月を伝統を守り続けながらさまざまな改革や変遷を経て、今も進化を続けます。

株式会社 島安汎工芸製作所

〒642-0022
和歌山県海南市大野中507-1
Tel.073-482-3361
http://www.uruwashi-urushi.com

工程のすべてを一貫作業することで多様なオリジナル商品の開発を可能に

工程のすべてを一貫作業することで
多様なオリジナル商品の開発を可能に

漆器の製造は、木地作り・下地塗り・中塗り・仕上げ塗りと大きく4つの工程に分かれます。まず木地作りでは、その商品に合った材料を選び、商品サイズに切ります。線引や細かい部分付けの細工をし、木取りされた材料を木工用ボンドなどで組み立てます。最後に商品をきれいに磨き上げます。

昔からの変塗りの技法を使った新しい色組みは現代の変根来

昔からの変塗りの技法を使った
新しい色組みは現代の変根来

仕上げ塗りの後、下地に塗った漆を少し研ぎだし(破り)ます。自社で開発した白漆の変根来(かわりねごろ)や、微妙な調合の漆を何回も塗り重ね、研ぎ出しの加減により一つ一つ趣が違う霞(かすみ)塗(ぬり)も昔から伝わる根来塗の研ぎだしの技法を用い、最後にツヤ出しをします。

革新的な技術の改良と開発が漆の塗りの表現も変えていく

革新的な技術の改良と開発が
漆の塗りの表現も変えていく

刷毛でなく商品を回しながら機械で噴き付けます。重ね塗りや微妙な調整も加減して塗ることができグラデーションを出すことも。漆の色の調合や機械の加減もどういう商品かによってその都度、微妙な調整が必要となります。

紀州漆器 - 島安汎工芸製作所(和歌山県)

伝統とモダンの調和が美しい
ふだん遣いをしてほしい
高品質で新感覚の漆器

変根来のNjeco 汎正角切溜三入子(赤)、台形ミニ入子二段重箱(白)、七宝丸二段弁当箱、木製ワインカップ霞根来(茜)。
変根来ワインカップL(白)、S(白)。
変根来のフリーカップ(白)と、姫スプーン(白)、変根来Njeco 汎ミニ三段重箱(赤)、Njeco 汎八角二段弁当箱(白)、根来Njeco 汎箸箱セット

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