原材料こそが強み。伝統はぶれずに守りつつ新しい灯りの姿を提案したい原材料こそが強み。伝統はぶれずに守りつつ新しい灯りの姿を提案したい

近江の手造り和ろうそく 大與(滋賀県)

和ろうそくとは何かを
知ってもらうために

琵琶湖の西側に位置する滋賀県高島市。古くは港町として栄えた今津町で初代大西與一郎氏がろうそく製造業を始めたのは大正3年。「近江手造り和ろうそく大與」は、100年以上続く老舗店です。和ろうそくのやわらかく美しい炎や、煙が少ないという魅力に最適な原料とされるのは植物性の櫨蝋(はぜろう)。採取は国産のみで希少で高価な上に、年々原料調達も難しくなりつつある素材です。古来より伝わる和ろうそくの製法、手掛け(生蝋手掛け製法)も、手作業で全工程こなせる職人は全国で10人ほど。独り立ちするのも、まず10年はかかるとか。三代目の大西明弘会長の頃から 素材の研究も重ねた上で、やはり素材も技法も伝統に沿って守り続けるうち、昭和59年に大與の和ろうそくは、滋賀県の伝統的工芸品として指定されます。

大與を代表する商品は櫨蝋のろうそくですが、伝統的な櫨蝋を製造する一方、「和ろうそくとは何か」をよりわかりやすい形として提案するために、以前からあった米糠蝋をさらに研究しました。「洋ロウソクの原料は石油原料のパラフィン、和ろうそくは持続可能な自然の原料です。お米というのは誰にも親しみがあり、日本らしい原材料。燃焼も安定しています。これが評価されて、平成23年 にグッドデザイン賞(中小企業庁長官賞)を頂きました」と四代目の大西巧(さとし)社長。和ろうそくの伝統職人でもありながら、社長自らデザインプロデュースや、和ろうそくを雰囲気作りに活かしたイベント、作家さんと灯り周りの燭台などを企画しています。

「受継いだ手技と素材、それは守ってぶれさせず、もっともっと今に近づけ、形を変えて暮らしのなかの灯りを提案していきたい」。

近江手造り和ろうそく大與
(有限会社 大與)

〒520-1623
滋賀県高島市今津町住吉2-5-8
Tel.0740-22-0557
http://www.warousokudaiyo.com

和ろうそくの美しい燃焼を決めるていねいな芯づくりの工程

和ろうそくの美しい燃焼を決める
ていねいな芯づくりの工程

一本一本手作業で、串に巻いた和紙の上に灯心草(いぐさ科多年草)の髄を巻き上げ、真綿で止めます。植物性の蝋を吸い上げるために、より表面積の大きい芯を用います。芯の太さや巻き加減で蝋の垂れ方も違うので、重要な工程のひとつである芯づくり。担当は創業時より祖母のみよさん。

植物性自然素材の持つ暖かな色味季節により温度・湿度との頃合いを

植物性自然素材の持つ暖かな色味
季節により温度・湿度との頃合いを

お米のろうそく造りの工程は、米糠から採取された蝋のチップを溶かし、型に入れ固まるのを待ちます。季節ごとに違ってくる室内の温度や湿度。それによって型自体の温度と流す蝋の冷える時間も変わるのでそのときどきに応じて様子を見ます。職人として長年かけて体得した経験がここでも必要になります。

最上級の素材、天然の櫨(はぜ)蝋と父から子が受け継いだ伝統の手技

最上級の素材、天然の櫨(はぜ)蝋と
父から子が受け継いだ伝統の手技

手掛け(生蝋手掛け製法)は古来から伝わる和ろうそくの製法。現在、この技法ができる職人は全国で10人ほどだそう。芯を挿した串を右手で回転させながら平均40度に保った蝋を左手でとり塗り重ねます。塗る、乾かすを繰返すと芯の周りに年輪状に蝋の層ができていきます。

近江の手造り和ろうそく - 大與(滋賀県)

お米の糠から採取した蝋を 100%使用。
燃焼に適した材料に仕上げるまで研究を重ねた
未来につながる、米糠の和ろうそくたち。

「お米のろうそく」(20本入り)蝋垂れや油煙がほとんど出ず、人や環境に優しく持続可能なお米の糠から作られています。淡い黄色は米糠の色。鉛筆のようにパッケージもまとめて取り出しやすいようにデザイン。
「色ろうそく」和ろうそくをもっと身近に感じてもらうためのもの。お部屋や気分に合わせて色を選べる全12色のカラー展開や黒地に星を模した「宙Sora」なども人気でシリーズとして展開しています。

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