「撚る」技術にはわくわくする面白いモノを創れる可能性があるんです「撚る」技術にはわくわくする面白いモノを創れる可能性があるんです

ATSuBOuGu
(アツボウグ)
林撚糸(和歌山県)

ファッショナブルな耐熱手袋の秘密は
「撚る」ことで増幅した糸の力

糸状になった繊維を複数本合わせて「撚る(よる)」。撚糸とは、糸を作る紡績と、生地を織ったり編んだりする作業との中間に位置する工程。一見地味ですが、新しい付加価値を持つ素材を開発する上で、なくてはならない仕事です。そんな撚糸専業の会社として、県内でも唯一の存在となった林撚糸株式会社は、昭和7年創業の老舗。

「曽祖父が大阪で創業した当時は、軍足の製造工場でしたが、戦時中に一家で和歌山へ疎開し、戦後改めて、祖父がこの地でニーズのある仕事を考え、撚糸に事業転換したそうです。この辺りはニットやパイル織物の製造が盛んでしたから」。そう話すのは若き四代目社長の林雄太さん。耐熱手袋アツボウグは、林さんの父・寛さんが10年前に開発した同社初の自社ブランド製品です。

誕生のきっかけは、ある鉄工所からの相談。それまで作業中の火花から従業員の手を守るために使われていたのは革製の手袋でしたが、通気性がなくて蒸れる、手に匂いがついて食事の時に困る、などの欠点がありました。そこで耐熱性は保持しつつ、洗えて通気性のよい手袋を作るため、林撚糸で糸から独自に開発することに。そこで活きたのが、多品種小ロットで産業用資材からアパレル用資材まで幅広いジャンルの撚糸に関わってきた経験。こうして誕生したアツボウグは、その撚糸および製品製造の技術で特許を取得しています。

「糸だけじゃなくて、細くて長くて柔軟性のあるものなら何でも撚りますよ。食品やIT、医療といったさまざまな分野で、撚った素材を使うことで技術革新を起こせる可能性はまだまだあると思うんです。もっとニュースになるような素材を作っていくことで “ただ糸を撚るだけの仕事”というイメージを覆していきたいですね」。33歳のルーキーはそう言って胸を張りました。

林撚糸株式会社

〒649-7205
和歌山県橋本市高野口町名倉879
Tel.0736-42-3205
http://atsubougu.jp

複数本の綿糸を撚った特殊なループヤーン。

複数本の綿糸を撚った
特殊なループヤーン。

複数本の綿糸と3〜4%のポリエステルを撚り合わせ、最適な太さに仕上げたループヤーン。アツボウグはこの意匠糸をアラミド繊維と編み合わせることで、火花や熱から手を守るしっかりした厚みを持たせました。パイル状に空気を含んだループヤーンが断熱性を、アラミドが耐火・防炎性を発揮します。

13本の糸巻きから糸を繰り出し編み上げ。

13本の糸巻きから
糸を繰り出し編み上げ。

パートナー工場で手袋に編み上げます。普通の軍手だと、編み機にかけられる糸巻きはせいぜい2~5本ですが、アツボウグの場合は13本。特殊ループヤーンとアラミドのほかにも複数の糸を取り合わせてのニッティングなので、目飛びしないようゆっくりめのスピードで機械を動かします。

サンドペーパーで磨き上げてつやを出す。

人の目による
丁寧な検品を経て出荷。

編み終わった手袋は、手首部分を折り返し縫製。さらに検品を行いながら、飛び出した糸などを丁寧に処理します。最後に林撚糸へと戻ってきた製品にブランドタグをつけて、完成。

ATSuBOuGu (アツボウグ) - 林撚糸(和歌山県)

アウトドアやBBQに。
特許取得の撚糸を使った、
ありそうでなかった耐熱手袋。

オリジナル開発の撚糸とアラミド繊維を編み合わせ、肌に触れる面をパイル状に仕上げているため、空気を含んで熱を伝えにくいうえ、アラミドが耐火・防炎性を発揮して手を守ります。大きめのサイズにしているのは、いざという時にさっと脱げるようにするため。これまでも道具にこだわるアウトドア好きに支持されてきました。フリーサイズ3色展開。

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