農薬不使用栽培のコットンで加古川の町と靴下産業をもっと元気にしていきたい農薬不使用栽培のコットンで加古川の町と靴下産業をもっと元気にしていきたい

かこっとん靴下 かこっとん(兵庫県)

綿花栽培から靴下製作まで
すべてメイド・イン・加古川

明治時代から東京、奈良とともに日本の靴下三大産地といわれ、現在も地場産業として靴下づくりがさかんな兵庫県加古川市。かつて江戸時代には、日本でも有数の綿花栽培地でもあったといいます。その背景を受けて、「もう一度綿の産地にし、パーフェクト・メイド・イン・加古川の靴下をつくりたい」と声を上げたのが、現在兵庫県靴下工業組合の理事長も務めるかこっとん株式会社代表の鷲尾吉正さんです。

加古川の休耕田を利用した農薬不使用コットンの栽培プロジェクトをクラウドファンディングで呼びかけ、現在は2haの畑で綿花のなかでも最高品質といわれる超長綿を農薬不使用栽培しています。「最初は1500足しかつくれませんでしたが、今年の収穫では5000足ほどの靴下ができる予定です。クラウドファンディングをはじめ、加古川の皆さんや多くの企業、多くの人にご協力いただいてここまでくることができました」と収穫した綿を優しい眼差しで見つめる鷲尾さん。栽培はもちろんのこと、収穫には地元の小学生もお手伝いし、紡績から靴下製作にいたるまですべて加古川の企業で行っています。「昨年は染めの工程だけは京都に依頼して染色しました。今年は草木染めも地元加古川でできたらいいなと考えています」とあくまで加古川製にこだわります。

「ゆくゆくは“かこっとん”という品種の綿花をつくって、信頼できる日本製綿糸の象徴に育てていきたい」と話す鷲尾さん。およそ97%が輸入という繊維業界において、13%は国産メーカーが頑張る靴下業界の新たな起爆剤として期待されるかこっとんファームプロジェクト。この春からはまた新しい綿花の栽培が始まり、本プロジェクトをライフワークと話す鷲尾さんたちの挑戦はこれからも続きます。

かこっとん株式会社

〒675-0304
兵庫県加古川市志方町高畑961-9
Tel.079-453-0345
http://kacotton.jp/

超長綿からカラーコットンまでさまざまなコットンの種類。

超長綿からカラーコットンまで
さまざまなコットンの種類。

コットンにはさまざまな種類があり、かこっとんファームでは主に超長綿と呼ばれるものをメインに栽培。その名前のとおり、平均繊維長が35mmと長く、高級糸を引くことができます。ほかにも緑や茶色などのカラーコットンも栽培。オーガニックなやさしい色味が魅力です。

コットンだけでなく食用油にも。幅広い活用が期待できる綿花。

コットンだけでなく食用油にも。
幅広い活用が期待できる綿花。

コットンを糸にするためにはジンニング(種取り)が必要。ひとつのコットンボールに20粒前後の種が入っています。「あまり知られていませんが、綿花の種からは食用油が採取できます。地元の養鶏場とコラボして、マヨネーズなどの加工品にできないかという計画もあります」。

地場産業として高い技術を持つ企業が靴下製作を担当。

地場産業として高い技術を持つ
企業が靴下製作を担当。

靴下を製作するのは鷲尾さんが代表を務めるワシオ株式会社をはじめ、加古川市内の靴下メーカーが担当。ワシオ株式会社は、先代が靴下の編機を改良して発案した編機でつくった丸編円筒起毛肌着「もちはだ」が大人気。発売されて以来46年間多くの人に愛され続けています。

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100%メイド・イン・加古川に
徹底的にこだわってつくった、
農薬不使用栽培コットンの靴下。

かこっとんでつくられる靴下は数量限定のため、現在は販売終了し、平成28年の秋に収穫されたコットンから新たな靴下を製作中。誰からも愛されるようにと、生地の良さが伝わるシンプルなデザインで展開予定。繊維製品以外にも綿実油やコットンペーパーなど、さまざまな製品の開発にも取り組んでいます。

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