「これはフェルト製のレゴと説明しています」と言う、株式会社f-pzl（エフパズル）代表の西島洋美さん。使うのは正方形のフェルト。辺に入った切れ目と平面内側にあけた穴を接続させ、2つの図形を繋ぎます。4か所ある接続部分をジョイントさせながら目標物を作る玩具です。

考案者である西島さんは、こんにゃくの手綱結びをアイディアの発端に、次々と仮説を組み立てていったそう。頂点の数、無駄な部分の生まれない規則正しい美しさ…、論理的な試行錯誤を重ね、平成22年、f-pzlは完成。「頭の中で何度も考えたことが実現した時は、もつれた糸が解けていくような感覚になりました」。

f-pzlはフェルト製のため、球体や衣服などの立体にも成形可能。組み進めると幾何学的な模様が広がり、大人の鑑賞にも堪えるアートのような魅力を持っています。
平成25年には、小学生を対象にドレスを作るワークショップが開催されました。その際は、幼児が指で強引にジョイントさせ、ひやひやしたことも。「アッと思ったのですが、そのときも壊れなかったのです。フェルトは弾性があるため、自然に復元していました」。固形玩具のような危険性はなく、紙のように失敗したときにやり直し不可能ということもありません。f-pzlはフレキシブルで軽量、安全な玩具として、大きな可能性を秘めた商品です。