幼少期からラジオやスピーカーを分解してきたヨシモク社長の吉崎準二さんは、建具店の四代目として家業を継いだのち、趣味だった自作スピーカーの商品化に乗り出しました。

一般的に、堅く重い木材で作るスピーカーは音鳴りが良いといわれていますが、吉崎さんはあえて地元徳島県産の杉と檜を採用。木製スピーカーの音質は維持しながらも、コンパクトな形状にふさわしい軽やかであたたかみのある音が、耳に心地よく響きます。本体は、考え得る最高のパーツを取り寄せ本格的なサウンドになるよう設計しました。

デザインを担当した石川奈美さんは、「しじら織」や「藍染め」など徳島の伝統的な染織文化を自然な形で取り込むよう工夫したそうです。しかし、根っからのスピーカーファンである吉崎さん。「最初、コーンにネットを被せるなんて…と葛藤があったんですよ。でも、試作品を聴いてみると思いのほか良い音だったもので」と笑います。以後、とんとん拍子でさまざまなタイプのミニスピーカーが生まれたと言います。

現在では、ギフト仕様のパッケージや愛らしいルックスが奏でる音色に魅了され、ますます惹かれていく人が多いとか。吉崎さんもファンの拡大を喜んでいます。